毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
土曜の東京競馬場の天気は不安定だった。朝方の午前8時前まで小雨。10R・高尾特別のレース後から再び雨が降り出し、メイン11R・メイSの頃は一時本降りだった。ただ、芝コースの馬場状態変更までは至らず、良馬場で終日行われた。
ヴィクトリアマイルが行われた先週16日午前7時のJRA測定のクッション値が「10.3」(やや硬め)。22日午前7時(土曜)のクッション値が「9.4」(標準)。同じ良馬場でもクッション値は変動している。今週は雨の影響も多少あり、かなり速い時計が出た前2週と比べると、決して遅くはないものの、時計の出方は「標準」に戻った印象だった。
土曜は、芝競走は6鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「4番手、2番手、11番手、2番手、2番手、6番手」。ヴィンクーロが勝った7R・4歳上1勝クラス(芝1600m)を除けば、残る5レースはスローペースだったこともあり、好位組が活躍した。ただ、これはあくまでも展開の影響が大きい印象だった。
その7Rは逃げたコスモスタックが前半3F34秒5で逃げ、レース後半3Fは34秒8。
勝ったヴィンクーロは4コーナー11番手から、外を通って一気に差し切った。先に動いた4コーナー7番手のタイキスウォードが一度は先頭に躍り出たものの2着。完全な「外差し決着」で、勝ったヴィンクーロの上がり3F33秒9。1番人気に推されていたこともあり、力が違っていたのも事実だが、土曜に限れば、瞬発力も十分に生きた。勝ち時計1分33秒0は1勝クラスとしては標準だろう。
11R・メイS(芝1800m)を見れば、内ラチ沿いでの粘りも利く状況。3コーナー手前で先頭に立った3番人気フランツが懸命に粘って2着。勝った2番人気アブレイズは4コーナーで一度6番手に下げる形で再び伸びた。ペースが落ち着けば、内&前主導のケースも十分ある。
天候不順だった土曜と違い、日曜の東京は好天予報。降水確率20%、予想最高気温も25度と高く、同じ良馬場でも土曜より一段乾いた状況になりそうだ。内寄りの傷みも少なく、思う存分力を発揮できる状況といえそうだ。