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ダービーをハナ差で勝ち負けした馬のジンクスとは?

  • 2021年06月05日(土) 12時00分

シャフリヤールは今回いくつかのジンクスをまとめて覆したので…


 先週の日本ダービー、劇的な決着になりましたね。

 シャフリヤールは、前走が毎日杯で鞍上が福永騎手への乗り替わり。データ重視(言い換えれば、過去にとらわれすぎ!)の私には、どう考えても当てられない結果でした。

 ただ、来年もこういうパターンの馬が勝つ、とは考えにくい(と勝手に思っている)ので、皐月賞からの直行で引き続き同じ騎手が手綱を取っている馬を狙うつもりです(そういう考え方こそが、“こだわり”から抜け出せない証拠!?)。

 1、2着がハナの差しかなかったダービーはこれが10回目。2016年のマカヒキ&サトノダイヤモンド以来5年ぶりのことでした。

 実は、2012年にディープブリランテがフェノーメノをハナ差で下して優勝した直後、当欄に「日本ダービーのハナ差決着とその後」と題した文章を載せました。

 その中に、「過去にハナ差でダービーを制した7頭のうち、ダービーの後に重賞を勝ったのはカツラノハイセイコ(天皇賞・春ほか)だけ」という記述があります。

 で、8頭目のディープブリランテは、ダービーの後、同年のキングジョージVI世&クイーンエリザベスSに出て8着に敗れ引退。16年のダービーをハナ差で勝ち、9頭目となったマカヒキは、同年のニエル賞には勝ちましたが、国内では今年の天皇賞・春まで16戦したものの、なかなか勝てずにいます。

 つまり、ハナ差でダービー馬になった馬9頭のうち、その後に国内の重賞を制覇した馬は、いまだに1979年のカツラノハイセイコだけ、なのです。

 とはいえ、10頭目のシャフリヤールは日本ダービーでいくつかのジンクスをまとめて覆したわけですから、そんなことを気にする必要はないのかもしれませんね。

 一方、ハナ差で敗れた馬のその後はどうでしょう?

 12年のフェノーメノは菊花賞には向かわず、同年秋の天皇賞でまたしても2着に敗れました。しかし、ご存知のように13、14年の天皇賞・春を連覇、3歳時はわずかに届かなかったGIタイトルを2度にわたって獲得しています。

 そして16年のサトノダイヤモンドは、同年秋の菊花賞と有馬記念を制覇、JRA賞最優秀3歳牡馬に選ばれました。

 ちなみに、ダービーでハナ差2着に負けた馬が菊花賞に出たのは、16年も含め過去に6回あり、2勝2着3回で勝率.333、連対率は.833という好成績を残しています。12年のコラムに書いたのと同じ話になりますが、エフフォーリアが菊花賞に出てきたら馬連の軸にしてみますか?

 さてさて、先日、「ウイニング競馬」のスタッフから、今年も夏競馬(福島、新潟)へは出張しません、とのお達しがありました。競馬場で実況する体制に戻るのは、早くても秋の中山以降になりそうです(涙)。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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