毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
安田記念も終わり、春の東京競馬は8週目に入りました。芝のCコース使用はダービー週からの継続で3週目。JRAホームページでは「コース全周の内柵沿いに傷みがある」とのこと。今開催は芝状態が良好だった開幕週から、直線で中〜外を通る馬の差しが利いていましたが、ここ2週はさらに「外差し傾向」が顕著になってきた傾向。先週の安田記念で優勝したダノンキングリーが通った位置が今週もよく伸びています。土曜のメイン11R・ジューンSでは、直線で各馬が内4〜5頭分ぐらい避けて通っていました。
土曜は、芝競走は5鞍。勝ち馬の4コーナーの位置は「4番手、6番手、3番手、3番手、1番手」。これだけを見ると、差しより前の組が優勢だったように見えますが、これは「展開」の影響も大きかった。土曜の5鞍中、ハイアムズビーチが勝った5R・2歳新馬戦(芝1400m)を除けば、残る4鞍は前半より後半が速い後傾ラップのSペース。これが、好位勢が頑張った理由でしょう。ちなみに5Rはハギノモーリスが逃げ、レース前半3F34秒8〜同後半3F35秒7。最終4コーナーで15番手にいた2番人気ラズベリームースが5着まできていました。流れひとつで、もっと中団〜後方組が上位にきていたかも。
11R・ジューンS(芝2400m)は逃げたワンダーコノシュアが4コーナー付近で減速して競走中止。道中2番手にいた1番人気シルヴァーソニックが押し出される形で、4コーナー手前で先頭に立ち、そのまま粘り込みました。騎乗したルメール騎手は内4頭分ぐらい避けて走りながらも、上位入線した馬の中では最も「内」を選択していました。中〜外が伸びるとはいっても、コースロスをできるだけ軽減して、ギリギリの内寄りを選択できるか。騎手の進路取りも、結果を左右する馬場状況になっています。
日曜の天気は西から下り坂。中京競馬は雨の影響を受けそうですが。東京競馬は何とか雨が降らずに開催をできそうな気配(ただ降り出しが早まるケースは注意)。土曜に引き続き、良馬場で行えそうです。雨の影響が残った先週日曜でもまずまず時計は出ていて、高速馬場といえないまでも、速い時計の決着。
メインのエプソムCは逃げ候補はシュリ、セダブリランテスあたり。S〜Mペースが濃厚。中〜外が伸びる馬場といっても、中団より前ぐらいが理想ポジションでしょう。雨さえ降らなければ、瞬発力が生きる馬場。ディープ産駒向きの設定です。