毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
菊花賞が行われる阪神競馬場の芝はAコース使用3週目。東京競馬場や新潟競馬場のレースを見ていると錯覚するかもしれませんが、阪神は19日(火曜)を最後に雨は降っていない。土曜は芝、ダートともに「良馬場」で行われた。日曜の兵庫県宝塚市の予報は晴れ(降水確率0%)。菊花賞も絶好の良馬場で行われるのは間違いなさそうだ。JRA公式ホームページでは「内回り3コーナーから4コーナーに傷みが出始めましたが、その他の箇所は概ね良好な状態」とのこと。各馬が内寄りを避けて通ることもなく、3週目としては上々のコンディションといえそうだ。
土曜は、芝競走は5鞍。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「2番手、5番手、1番手、4番手、1番手」。土曜夜から日曜未明までの雨の影響が残った秋華賞当日(17日)こそ差し馬優位にシフトしたが、今週の土曜に限れば「内&前優位」に戻った印象。
土曜は5R・2歳新馬戦(芝1200m)だけが菊花賞と同じ内回り使用。残る4競走は全て外回りのレースだった。ちなみにこの5Rは好スタートで飛び出した4番人気ナムラデイリリーが前半3F34秒8〜後半3F35秒3のほぼ平均ペースに持ち込んで、あっさり逃げ切り勝ち。このレースだけ見ると、内有利の印象はやはりあった。
長距離戦という意味では、9R・兵庫特別(外回り芝2400m)を一応取り上げる。ただ、このレースを逃げ切った3番人気テーオーロイヤルは前半5F64秒1〜後半5F58秒6の特殊な超スローペース。馬場を味方にしたというよりは、展開を有利に運んだ印象。
時計の出方は3R・2歳未勝利戦(外回り1800m)を勝った1番人気テンダンスが1分46秒9の好時計勝ち。標準よりやや速めと言った方がいいかもしれない。
菊花賞は42年ぶりに阪神競馬場が舞台。内回りを1周半する特殊な舞台設定。土曜の傾向を見る限りは内をロスなく立ち回る馬が優位になりそう。ハイペースは考えにくいメンバー構成で、特に外枠の馬は外を回されると厳しくなる恐れも。早めに内寄りに潜り込めるかもポイントになりそうです。