毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
東京の芝コースは天皇賞ウイークの先週に続き、Bコース。見た目には正面直線の内寄りに傷みが出てきた。ただ雨の影響を受けた先週日曜の天皇賞当日は1着エフフォーリア、2着コントレイルが通った位置から差し優位の感じだったが、1週経過して、今週は晴天続き。土曜に限れば、極端な差し競馬にはなっていない印象。展開次第で内寄りを通る馬の粘りも利いた1日だった。
土曜は、芝競走は6鞍。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「2番手、5番手、3番手、2番手、4番手、2番手」。S〜Mペースのレースが多かった影響で、純粋な逃げ切り勝ちこそないものの、好位勢の活躍が目立った。その一方で後方からの差し馬が上位に入線するケースもあった。
一応、参考までに土曜の2競走を取り上げる。9R・神奈川新聞杯(芝1400m)は2番手を進んだ2番人気バルトリが、逃げたセイドアモールと4コーナーではやや間隔を取った位置から伸びて快勝。対照的に2着アヴェラーレは最終4コーナー13番手とかなり厳しい位置から、外をグイグイ伸びて届いた。レース前半3F34秒3〜同後半3F35秒2。1番人気に支持されたアヴェラーレの底力もあるが、中団〜後方からでも差し届く気配は感じた。勝ち時計1分20秒8は極端に速くないが、まずまず時計は出ている。
続く3歳以上3勝クラスの10RノベンバーS(芝1800m)はレース前半3F36秒0〜同後半3F34秒2のスロー。4コーナー4番手の1番人気イルーシヴパンサーが伸びた。2着は逃げ粘った5番人気シンボ。これだけペースが緩いと、内寄りの芝が多少傷んできたとはいえ、粘りは十分に利く。
日曜は引き続き晴天で良馬場濃厚。メインのアルゼンチン共和国杯はタフな2500m戦。仮にスローに流れたとしても、あっさり逃げ切るようなレースにならないはず? 過去2年は一昨年ムイトオブリガード、昨年オーソリティともに4コーナー3番手から優勝。過去10年を見ると「4コーナー3番手〜8番手付近」がVゾーン。個人的には徐々に内寄りの傷みは進み、土曜よりは差しやすい可能性が高いとみています。