毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
阪神は連続開催11週目。芝のBコースは3週目に入った。今週は木曜から金曜にかけ、約27mmの降水量を記録。その影響が残り、土曜の芝は「稍重」でスタートし、5Rが終わった後の午後1時すぎに「良」に変更された。向正面と正面直線に傷みが出ている。阪神JFの時も触れたように、特に正面直線は内寄りの傷みが進み、パワーが必要な芝になっている。
土曜は、芝競走は5鞍。優勝馬の4コーナーの位置は「8番手、10番手、2番手、3番手、11番手」。特に外回りを使用するレースで、直線で中〜外を通る馬の伸びが目立つ。
2R・2歳未勝利戦(芝1800m)にその傾向が出ていた。前半5F64秒5の超スロー。最終4コーナー8番手の1番人気アカデミーは直線半ばでは一瞬届かない脚勢だったが、外から伸び切った。2着エピプランセスは4コーナー3番手から先に抜け出した形だが、このレースで注目は3着の9番人気チョッピーだろう。大外14番枠で単勝119倍台の超人気薄。4コーナーではアカデミーのさらに「後ろ&外」の12番手にいたが、大外からグイグイ伸びて3着に届いた。多少距離ロスをしても、中〜外を選んだ方が伸びるのが今の阪神芝の特徴といっていい。
朝日杯FSと同じ外回り1600mで行われた10R・甲東特別は離れた3番手を追走した1番人気シャーレイポピーが快勝した。単勝1.5倍のオッズが示す通り、このレースに関しては、芝状態は特に関係なく、力の違いが結果に直結した。鞍上のC.デムーロ騎手が直線では内に寄せず、馬場中央を選んでいたのも印象的。先行勢に余力があって、比較的芝状態の良い中〜外を選べる形だと、後方の差し馬はさすがに厳しい。
朝日杯FSに直結するかは別として、内回り1200mで行われた11R・タンザナイトSは馬群をさばいて、4コーナー11番手から最後は外に出した2番人気ナランフレグが一気に差した。このレースを見ても、特に残り1Fからは差し馬の伸びが目立つ。
朝日杯FSはこれまで逃げた馬も数頭いる。ある程度流れると見れば、先週の阪神JF同様に、最後は中〜外を通る差し馬が台頭するのでは?
多少パワーも必要なのも付け加えておきたい。グレナディアガーズが1分32秒3の好時計で制した昨年と比べると明らかに時計は掛かる。阪神JFの優勝タイム1分33秒8(勝ち馬サークルオブライフ)の近辺が優勝推定タイムになりそうだ。