毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
年明けからCコースを使用している中山芝コースは5、6日目に入った。週初めの月曜の11R・フェアリーS5番人気ライラックが外から一気。最終12Rも後方から追い上げた1番人気スリートップキズナが最終4コーナー9番手から快勝した。例年だと、京成杯ウイークから「中〜外差し」が顕著になってくるのがパターン。さて、今年はどうか?
週初めの火曜11日に中山競馬場は約15ミリの降雨を記録した。JRAが土曜午前5時30分に測定した芝の含水率はゴール前が12.1%、4コーナーが13.5%。良馬場としては水分を含んだ状況。3〜4コーナー、直線の内側に多少傷みは出ているが、それでも例年のこの時期と比べるとまだいい状態を保っている。
土曜は、芝競走は4鞍。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「1番手、4番手、8番手、1番手」。サンプル数が少なく、これだけを見ると、先行勢も頑張っているように映るが、個人的には「差し舞台」にシフトしている印象。
5R・3歳未勝利戦(芝2000m)を逃げ切った1番人気オウケンボルトはレース前半5F63秒8〜同後半5F60秒6の絶妙のスロー。鞍上のミルコ・デムーロ騎手も光り、これだけで前有利の馬場と見るのは無理があるかもしれない。
11R・カーバンクルS(芝1200m)はレース前半3F33秒1〜同後半3F35秒6と淀みなく流れた。勝った4番人気サンライズオネストは4コーナー8番手から一気。展開も味方にしたが、中〜外が伸びる状況を生かした形。勝ち時計1分8秒7はオープンとしては地味で、含水率が高めの影響が多少ありそうだ。
12R・4歳上2勝クラス(芝2200m)は前半5F64秒1の超スローペースで逃げた3番人気ブレークアップが押し切った。この日の芝競走では2頭目の逃げ切り。鞍上・永野騎手の好騎乗だろう。
日曜の中山は引き続き好天予報。京成杯の過去10年の勝ち馬の最終4コーナーの位置は「6番手、5番手、8番手、12番手、3番手、7番手、2番手、1番手、10番手、2番手」。逃げたタイムトゥヘヴン(2着)が前半3F37秒5とかなりゆったり入った昨年は、最終4コーナー2番手のグラティアスから内から抜け、完全な先行馬決着。この時期の展開が読みにくい3歳戦なので、ペースが落ちれば、馬場状況に関係なく、昨年のようなケースは十分ある。
ただ、12頭立てだった直近3年と違って、今年は16頭立て。過去には逃げ〜先行で勝った馬も何頭かいる。ある程度流れれば、差し馬の台頭余地は十分あると見ている。