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コロナウイルス大流行が収まることをただただ祈るばかり

  • 2022年02月12日(土) 12時00分

100年ほど前大流行したインフルエンザは収まるまで3年くらいかかった


 2年前の2月8日(土)、当欄に「新型肺炎の猛威が競馬界にも直撃」と題するコラムを公開しました。

 そこに書いたのは、マカオの競馬は中止、香港の競馬は入場者を大幅に制限して開催、という話。バックナンバーを読み返してみたら、「今後、世界中の競馬にさまざまな影響がジワジワと及んでくるに違いありません。日本で大流行、なんていう最悪の事態に陥らないよう、ただただ祈るばかりです」という記述で締めくくられていました。
 
 当時はまだそんなことが書けたんですね。かなり不気味ではあるけれど、うまくやり過ごすこともできるんじゃないか? そんな楽観的な思いも込められた文章。“新型コロナ”ではなく“新型肺炎”と書いているのも、今から考えるとお恥ずかしい限りです。

 思い出すのは、そのコラムを書いた少し前、1月30日に姫路競馬場で吉田勝彦さんとトークショーをやった時のこと。海外での新型感染症の流行を受けて、日本国内では、予防のためにマスクをしたほうがいいんじゃないか、という話が出始めました。

 それで一気にマスクの需要が高まったため、あちこちの店で売り切れが続出。私は、姫路駅近くのドラッグストアで、たった1つ残っていた箱入りマスクを入手したのでした。

 結局その後、アッという間に“最悪の事態”に見舞われてしまいます。緊急事態宣言発出やら“アベノマスク”やら、おととしの春はハッキリ言ってパニック状態でした。

 当然ながら当コラムも、競馬はどうなる? とか、『ウイニング競馬』がスタジオからの放送になって競馬場に行けなくなった、とかいう話で埋め尽くされてしまいました。

 あれから丸2年。何とかこの“コロナ禍”に慣れてきたかなと思ったら、“オミクロン株”の大流行です。誰もが「いい加減にしろ! 」ってなっちゃいますよね。

 でも、100年ほど前に世界を襲ったインフルエンザの大流行も、収まるまで3年くらいかかったそうです。

 その頃と今とでは人の数や動きがまるで違いますし、そもそもインフルエンザと新型コロナはモノが違います。しかも私は専門家ではないので確かなことは言えませんが、こういう流行が収束する(ほぼ収まることで、消えてなくなる“終息”じゃないですよ)には、そのくらいの年月がかかるっていうことなのかもしれません。
 
 この2年間、日本の競馬はほぼ間断なく続けられてきました。国内で新型コロナの感染拡大が始まった頃には、「こんな時に競馬をやっていていいのか? 」という声があったことも記憶しています。それでも断固として開催を続けたのは、今にして思えば「よかった」と言っていいですよね?
 
 約100年前のインフルエンザと同じように、あと半年から1年ほどで新型コロナの大流行が収まることを、ただただ祈るばかりです。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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