日曜日の灘Sに出走したキタノインディは15着。開口一番、「申し訳ないことをした…」と反省の弁を口にした小牧騎手ですが、はたしてレース中に生じた誤算とは!? さらに、今週末には、いよいよ加矢太騎手がデビューを迎えます。息子のデビュー戦を目前にした父親の偽らざる心境を明かしてくれました。
※このインタビューは電話取材で実施しました。
内枠が仇に…キタノインディには申し訳ないことをした
──キタノインディの今年初戦は15着(3月13日・阪神10R・灘S・13番人気15着)。
小牧 キタノインディには申し訳ないことをしてしまったね。
──申し訳ないとは?
小牧 いやぁ、もう進路がなくて。行けたら行こうと思っていたんだけど、ゲートがあまり速くなかったし、5番のウイン(ネプチューン16着)が行く気配を見せたから、その後ろにつけたんやけどね。
──道中は内々の5、6番手。すごくいい手応えで追走しているように見えました。
小牧 うん。でもね、3、4コーナーで前を走っていたウインがどんどんどんどん下がってきて…。外に出したかったんやけど、外にはぴったりアイファー(キングズ13着)がいたから、出せなかったんですわ。
──なるほど。キタノインディ自身の手応えが鈍って、置かれてしまったわけではなかった。
小牧 違う、違う。行くところがなかった。タイムオーバーになった馬の後ろに入ってしまったのが誤算やったね。往生したわ。仕方がないとはいえ、なにもできずに終わってしまった。あの展開で外に出すには、それこそ飛び越えるしかない。
──となると内枠が…。
小牧 仇になったね。直線だけはちょっと捌けたけど、その時点でもう伸びる感じが全然なかった。
──勝負どころで自分のリズムを守れなかったのが大きい?
小牧 そうだと思う。マイペースで跳びの大きい馬やから。
──初めての2000mでしたが、そのあたりは?
小牧 ちょっと長いかもしれんね。1700m、1800mあたりがベストなんちゃうかな。あとはやっぱり外枠がほしいね。とはいえ、仕上がっていただけにホントに残念やった。あんなに負ける馬ではないし、またチャンスをもらえるのであれば巻き返したいね。
──ニホンピロオーサーは初ダートで14着(3月12日・阪神2R・3歳未勝利・15番人気14着)。
小牧 ああ、芝のほうがいいわ。ダートを使ったのは、芝の番組に入れなかったのかもしれん。その前の芝1200mの行きっぷりがよかったから、芝で改めてやね。
──さて、今週末は、いよいよ加矢太騎手がデビューを迎えます。
小牧 うん、土曜日の阪神4R(4歳上障害未勝利・ダ2970m)やね。でもその日、僕は中京やねん。
──え〜! まさか現地で見られないとは…。
小牧 残念やけど、こればっかりは仕方がない。阪神には、嫁さんや友達が応援に行ってくれます。
──緊張しますね。
小牧 ホンマにドキドキするわ…。本人よりも、僕のほうが絶対に緊張する(苦笑)。なんせ初めてやからね。どうなることやら…。
──平地のように模擬レースがないわけですから、まさにぶっつけ本番。
小牧 トレセンの障害コースで練習はしているけど、レースのように何頭も一緒に走るわけではないから、文字通りのぶっつけ本番や。ドキドキすると思うで、きっと。あとは、雨が降らんかったらいいのにね。馬場が悪くなったら大変やで。今から天気がよくなることを祈っておくわ。
──では、最後に質問をひとつだけ。「小牧騎手のご家族のエピソードをいつも微笑ましく拝読しております。自分にも娘がおりますが、娘さんの結婚式を想像するとどんな気持ちになりますか? 泣かない自信はありますか?」
小牧 泣かない自信? あるわけないやん。泣くに決まってるやん(笑)。
──ですよねぇ(笑)。泣かないどころか、ギャン泣き確定。
小牧 うん、それはもう絶対。ただ、結婚式を想像したことはないなぁ。たぶん、素直によかったなとうれしい気持ちになると思うけど。あ、相手がしょうもない男だったら別やで(笑)。