【高松宮記念予想】絶対王者不在で時計を要す馬場なら勝機あり
ひと回り成長、昨年4着以上の走りが期待できる
芝コンディションは前2年と同様の渋馬場か。回復しても稍重までで、1分08秒台の決着ではないかと思える。重の巧拙は別にして、どの馬でも乗り切れるタイムになるのだから、難しい1200mになった。
昨年、勝ったダノンスマッシュから0秒2差4着だったトゥラヴェスーラ(父ドリームジャーニー)に期待したい。昨年は直線で前が狭くなり、ちょっと脚を余した印象があった。自身の最高タイムは1分07秒7なので、あまり時計が速くなってしまうと苦しいが、少し時計のかかる芝なら通用する。
この7歳馬は、大きな骨折休養がありまだ通算22戦。2着に突っ込んだ前走は約9カ月ぶりで、昨年の高松宮記念より16キロ増の馬体重。ひと回りたくましくなっていた。
最近10年では7歳以上馬の快走は少ないが、高松宮記念がこの時期の中京1200mになって22年、7歳以上で馬券に絡んだ馬は7頭もいる。特殊な距離なので、自身に衰えがなければ通用する。前出のダノンスマッシュ、グランアレグリア、インディチャンプなどが引退し、ピクシーナイトも不在。衆目一致のチャンピオンはいない年でもある。
トゥラヴェスーラの母ジャジャマーチャンは、2007年のスプリンターズSを制したアストンマーチャンの全妹で、スピード色の濃い牝系。姉妹の父アドマイヤコジーンは、朝日杯3歳S(当時)を制したあと、重度の骨折と長いスランプがあったが、6歳になって驚異の復活。安田記念など3重賞を制し、高松宮記念、スプリンターズSを2着している。
アドマイヤコジーンは種牡馬となり、アストンマーチャンのほか、2014年のスプリンターズSの勝ち馬スノードラゴン、CBC賞を連覇したマジンプロスパーなどの父となった。
母の父の時代になると、香港のG1を「1、1、2着」したウインブライト、その全姉で阪神JF2着のウインファビラスなどを送り、トゥラヴェスーラ、トオヤリトセイト全兄弟など、なぜかステイゴールド系種牡馬と相性がいい。トゥラヴェスーラの父ドリームジャーニーはステイゴールド直仔であり、開催終盤の少しタイム要する芝を歓迎する。
昨年と同じ外枠13番。今年は思い切りよくスパートするはずだ。レシステンシア、グレナディアガーズ本線だが、ロータスランド、ファストフォースなど先行型の伏兵も買う。