4月26日、浦和「桜花賞」は激戦になりそうだ。川島正行厩舎のダーレー2頭、ダガーズアラベスク(骨瘤で休養中)、グリーンベイ(東京湾カップ目標)こそ回避したが、それでも今年は牝馬陣の層が厚い。出走11頭、半数以上にチャンスが浮かび、それぞれ個性にあふれている。期待も含めたイメージは百花繚乱。仮にここを楽勝する馬が現われれば、その後牡馬路線に切り込んでも、十分脈ありと考えたい。
桜花賞(サラ3歳牝馬 定量54kg 南関東G1 1600m)
◎アーペレーヌ (54・町田)
○チャームアスリープ (54・内田博)
▲カミノヤマレンジャ (54・的場文)
△アヤパン (54・坂井)
△モナ (54・張田)
△パフィオペディラム (54・左海)
△オリビアフォンテン (54・石崎隆)
スターオブジェンヌ (54・真島)
スズランサイレンス (54・和田)
アーペレーヌは、昨暮れ大井「優駿牝馬」2着。直線大外を一気に伸び、ダガーズアラベスクに最後1馬身差まで迫っている。年が明けて2戦、ユングフラウ→桃花賞と6、3着だが、典型的な追い込み馬でズブい気性。トライアルから本番、大きく変わって不思議ない。デヒア×パーシャンボーイ、やや異色ながら、速い流れのサバイバルで底力を発揮する血統か。中間2か月おいて入念な調整。いい充電になったとみて頭から狙う。
内田博Jが今回チャームアスリープ。乗り役で飛びつく予想は本意でないが、現実に同騎手騎乗の前々走は8馬身差独走、目を見張る強さだった。ゲート難を割り引いても、潜在能力は相当高い。休養明け2連勝カミノヤマレンジャは、的場文Jが自信の挑戦。この血統(父アジュディケーティング)らしいスピード、瞬発力が印象的で、あとはネックの左回り(昨秋・川崎ローレル賞8着)をどう折り合うかが鍵だろう。前走JRA・500万完勝アヤパンの能力重視は当然だが、以後3か月半ぶりで初コース。過信できない部分もやはりある。モナ、パフィオペデイラムの岡林勢は、今回再び試金石。ともに良血、好馬体だが、実際のレースぶりにさして凄みが感じられない。むしろ混戦となってオリビアフォンテンが穴か。3走前サワライチバン相手に豪快な差し切り。過去浦和桜花賞は、再三こういう差し馬が大駆けを果たしてきた。
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クラウンカップ(4月19日 川崎 サラ3歳 別定 1600m 良)
(1)サンキューウィン (55・左海)1分40秒6
△(2)トキノシャンハイ (55・佐藤隆) 3
○(3)ゲームメーカー (55・的場文) 2
△(4)オウシュウクラウン (55・山田信) 4
(5)カネショウメロディ (53・鈴木啓) 1/2
…………………
◎(7)アイウィルウイン (55・町田)
▲(10)エスプリジャパン (55・戸崎)
単2,220円 馬複10,890円 馬単25,980円 3連複15,070円 3連単
172,090円
伏兵サンキューウィンが一気の逃げで圧勝した。外枠ながら抜群のダッシュでハナを奪い、道中いい感じのマイペース。雨上がりの軽い馬場、1000m通過60.8秒はもちろん速いが、終始力みのないフォームでぴたり折り合いがついている。逆に2、3番手を追走したオウシュウクラウン、ゲームメーカーの手綱が少しぎくしゃく。4コーナー馬なりで回ったサンキューウィンが直線もう1度加速した。ほぼ独走のフィニッシュ。1600m1分40秒6も、今開催古馬を通じ1番時計。フロックの勝利では決してない。
サンキューウィンは北海道→船橋、ここまで3勝。ただ相手関係、時計とも特にみるべきものはなく、今回8番人気も無理はなかった。しかし現実にこれほど圧倒的な勝ちっぷり。早くからセン馬になった経緯を思えば、気性難が本格化を遅らせていたということか。カナダ2冠馬、ダート向きとされるスキャターザゴールドが父。470kg台の馬体もパワフルで見映えがする。羽田盃出走は未定だが、この日の内容だけとれば十分通用。何より脚質が脚質だけに、サワライチバン、グッドストーン以下有力馬にとって、手強く厄介な存在となる。
トキノシャンハイがいい競馬をした。道中中団をスムーズに進み、しかしいざ勝負どころの3〜4コーナーで前がふさがる不利があった。直線インに立て直して2着は立派。430kg台と小柄でも、息の長い末脚と勝負根性がきらりと光った。1番人気ゲームメーカーは完敗の3着で、厳しい流れ、底力を問われると、いい脚一瞬の弱みがあるか。オウシュウクラウン、アイウィルウインも、位置取りは悪くなかっただけに現段階で力負け。エスプリジャパンはスタート直後前にノメるようなシーンがあり、いったん追い上げたものの終いバッタリ。結果的にキャリア不足が響いている。