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▲小牧騎手、2週連続の52キロへ騎乗(ユーザー提供:プゥーさん)
レインボーフラッグの連闘に伴い、2週連続52キロという過酷な戦いを終えた小牧騎手。減量も大事な仕事とはいえ、今回ばかりは「ホントによう頑張った」と自分への労いの言葉も。ユーザーからも「53キロと52キロはそんなに違う?」という質問が届き、その1キロの違いを切々と語ってくれました。
(取材・文:不破由妃子)
※このインタビューは電話取材で実施しました。
先週の減量は大成功! 競馬のあとも元気過ぎて京都で暴れた⁉
──先週のレインボーフラッグは、またしても外枠(8枠9番)でしたね(9月17日・中京11R・ケフェウスS・10番人気9着)。
小牧 外枠もあったけど、今回は完全に距離ですわ。レース前から距離が課題やなと思っていたし、52キロといっても、ほかにも軽い馬がいっぱいいたでしょう。だから、どういう競馬をしようかいろいろ考えたんやけど、やっぱり距離が距離やったから、ジックリ乗ったんですわ。
──直線に向いたあたりまでは、まだ十分手応えが残っていましたよね。
小牧 そうやね。一瞬、シュッと脚を使ったけど、最後は止まりました。でも、よう頑張ってると思うよ。馬も頑張ったし、僕も頑張りました。
──2週連続の52キロ。ファンの方からも「2週連続、お疲れさまでした」とメッセージがきていましたよ。
小牧 我ながら、ホントによう頑張りましたわ。2週連続の52キロはたぶん初めてや。目標体重まで落とした時点で、もう達成感があったからね(笑)。でもね、今回は成功したんですわ。今回は楽やった。
──先々週とは違う方法を取ったんですか?
小牧 お酒を抜きました。先々週は、あまりにもしんどかったからね。今回は、あのしんどさを味わいたくないと思って、水、木、金とお酒を抜きましたわ。
──木、金と抜くことはこれまでにもありましたが、3日連続はなかなかない。
小牧 そうしたらね、我慢しなくてもちゃんと汗が出ました。もう全然違った。京成杯AHのときは、減量による疲れで家に着いたらすぐに寝てしまったけど、先週の土曜日は京都でちょっと暴れてましたわ。
──暴れたって(笑)。
小牧 あまりにも元気がよかったから、友達を誘ってね。よう飲んだし、よう食べたわ。で、今日はもう水曜日やけど、今朝体重を計ったら、56キロあった。もう嫌になってるわ(笑)。
──土曜日から5キロ近く増えているということですか⁉
小牧 そう、5キロやで、5キロ。1週間で5キロ落とすのもすごいけど、すぐに5キロ戻るっていうのもすごいでしょ? 金曜日、調整ルームのお風呂に入っていたら、ちょうど(岩田)康誠もいてね。彼も最近は重たいらしく、「もう嫌になるな。すぐに戻るし」ってふたりで話していたところやった。僕は昔から重たいほうやったけど、康誠は軽かったんやけどなぁ。最近は彼も苦労してるよ。
──やはり年齢とともに落ちにくくなるんですね。
小牧 そうやと思う。もうね、そうなったら根性や。根性で落とすしかない。
──でも、先週の減量は、小牧さんにとって成功体験。
小牧 うん。やっぱりお酒やった。35年以上乗っていて、やっとわかったわ(笑)。
──遅っ(笑)。わかったからには、これからは52キロも余裕で乗れますね。
小牧 余裕じゃないよ! 1週間みっちり、運動して食事制限をして…。なんかダイエットしたい人に教えたいね。1週間、僕と同じように過ごしたら、人によっては10キロは落とせるわ。ジョッキーを辞めたら、ダイエットの伝道師になろうかな(笑)。
──小牧メソッド、いいかも。誰も実践できなさそうですが(苦笑)。今回は減量について、こんな質問もきていました。「『太論』を読んでいると減量の厳しさが伝わってきますが、たとえば52キロではなく53キロだったら、食べられる量や運動量など、1週間の過ごし方も変わってくるのでしょうか?」。
小牧 そりゃ変わる。53キロやったら、54キロの格好で乗れるから。
──どういうことですか?
小牧 52キロに乗るときの鞍って、めっちゃ軽いねん。で、その鞍で53キロに乗るとすると、普段54キロに乗る体を作れば乗れるから。
──なるほど。54キロに乗るときは、また別の鞍を使っているということですね。ちなみに、52キロに乗る場合、何キロまで落とすんでしたっけ?
小牧 51.3キロやね。それで、ものすごく軽い鞍で乗る。それがギリギリや。
──つまり、その鞍を使えば、53キロに乗る場合、52.3キロまで落とせばいいと。
小牧 そう。だから、53キロは無理なく乗れる。1キロは本当に大きいからね。さて、昨日まで久々に食い放題、飲み放題してたから、今日からまた減量頑張らんと!
(文中敬称略)