東京プリンセス賞(5月24日 大井 サラ3歳牝馬 定量54kg 南関東G1 1800m)
今年で20回目を迎える「東京プリンセス賞」だが、前に「桜花賞=浦和」、後ろに「関東オークス=川崎」という南関東牝馬クラシック。“3冠馬”はまだ出ていない。ロジータ以降、本物の女傑が途絶えたこと。牝馬はやはり体調維持が難しいこと。00年、関東オークスがJRA交流に昇格し、ますますハードルが高くなった感がある。もっとも昨年は、川崎テンセイフジが、プリンセス→オークスと連勝した。この時季層が薄い牝馬ダート路線だから、もちろん可能性は十分。今年はチャームアスリープが夢に挑む。
その00〜06年にデータを絞る。1番人気は3、2、4、12、1、5着。6年間で馬複、馬単、計4つの万馬券が飛び出した。連対馬は大井6頭、川崎5頭、船橋1頭。荒れムードはもちろんだが、傾向がつかみづらい。あえてヒントといえば、逃げた馬1、1、5、11、1、3着の数字になるか。交流戦となった00年にアインアイン(6番人気)が勝ち、04年にブルーロバリーが勝った。01年ナミも、好スタートを決めた時点で自らレースを作っている。大井1800m、半信半疑の馬が多くスロー必至。前々を進めるタイプがやはり有利だ。
◎チャームアスリープ (54・今野)
○グリーンベイ (54・内田博)
▲モエレプロミネンス (54・佐藤博)
△スターオブジェンヌ (54・真島)
△パフィオペディラム (54・左海)
△オリビアフォンテン (54・石崎駿)
△カネショウメロディ (54・鈴木啓)
カミノヤマレンジャ (54・的場文)
アヤパン (54・坂井)
モナ (54・張田)
チャームアスリープは、第一冠・桜花賞を力の競馬でクリアした。中団から外めをまくり気味に追い上げ直線先頭。3歳牝馬らしからぬズブい気性で、反面エンジンかかっていい脚を長く使う。内田博騎手の選択は意外だが、ダーレー(グリーンベイ)陣営とのコネクションもあり、苦渋の決断…と納得する。本来追って達者な今野騎手。現実に前々走「ライラック特別」は2着で、当時バンクレイドを捕らえたあたり相性は悪くないはず。大井1800mは条件ベスト。次走関東オークスをにらみどう勝つか。ライバルをグレイスティアラとイメージすれば、チャーム自身さらに瞬発力に磨きをかけたい。
グリーンベイはダーレーの期待馬で6戦3勝。浦和不向きとの判断で桜花賞をスキップしたが、それだけに背水の陣でここへ臨む。前走船橋快勝は牡馬相手。中団から弾けるような伸びをみせ、心身とも充実一途を思わせる。
モエレプロミネンスは少しひねった狙いだが、同馬は北海道2勝、転じた南関東2勝。とりわけ前走大井1800mを競り勝った勝負強さ、したたかさに注目できる。桜花賞2、3着スターオブジェンヌ、パフィオペディラムはパワーに課題がありそうで、すんなり先行の条件つきか。カミノヤマレンジャは使い減りの懸念、スピード上位アヤパンはイレ込みがネックで強く推せない。むしろ桜花賞上がり38.6秒、最もいい脚を繰り出したオリビアフォンテンに食指が動く。