▲福永祐一調教師が今年の日本ダービーを解説 (撮影:桂伸也)
馬から降りて、初めて“調教師”の立場からクラシックをご覧になっている福永祐一調教師に、3歳馬の勢力図を解説いただくこの企画。大反響だった先週のオークス編に続き、今週はダービーに向けて牡馬戦線を分析していただきます。
皐月賞にはジョッキー時代に跨った馬が多数出走。それだけに、勢力図は描きやすいと福永師。荒れた馬場、落鉄のアクシデントなども考慮し、ソールオリエンスを含めた皐月賞上位組の真価を分析します。
さらには、ダービー未勝利の青葉賞組への見解、新人調教師として、来年のダービーに向けて注目している種牡馬も語っていただきます。
(取材・構成=不破由妃子)
コントレイルと重なったソールオリエンスの皐月賞
皐月賞には、自分が現役の頃に乗ったことのある馬が多数出走していた(2着タスティエーラ、3着ファントムシーフ、5着ショウナンバシット、6着シャザーン、18着ダノンタッチダウン)。だから勢力図が描きやすく、タスティエーラとファントムシーフについては、「どんな競馬でもできるタイプだし、上手くいけば勝てるのでは」と思っていた。
が、ご存じの通り、結果はソールオリエンスの完勝。桜花賞のリバティアイランド同様、一枚も二枚も力が違うと言わんばかりの勝ち方だった。
▲ソールオリエンスは「力が違うと言わんばかりの勝ち方」(撮影:下野雄規)
もちろん、京成杯の勝ちっぷりからソールオリエンスには注目していた。しかし、引き当てたのは1枠1番。しかも、土曜日に雨が降って馬場が荒れ、日曜日に乾いて内が悪い…。そう、3年前のコントレイル(1枠1番・稍重)と似たような状況だった。
あのときの心境を思い出した自分が思ったのは、難しい競馬になりそうだな、どうやって乗るのかなということ。そういう意味でも、ソールオリエンスの競馬には注目していた。
好スタートを切ったが、(横山)武史はあまり出して行かず。おそらく