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「(武)豊くんも内田(博幸)くんも羨ましいなぁ」JRAに移籍して20年──自身の現在地と同世代への本音

  • 2023年05月23日(火) 18時01分
太論

▲『太論』も、今年の9月で丸12年(撮影:桂伸也)


早いもので、小牧騎手が中央に移籍してから丸19年が経ちました。聞けば、園田に在籍していたのは18年。ついに園田時代を超えました。

「アッという間やったねぇ」と振り返る小牧騎手。今回の『太論』では、「いつ辞めても不思議ではない年齢」と現在地を受け止めながらも、活躍を続ける同世代への本音を明かしてくれました。

(取材・文=不破由妃子)

今年はJRAに移籍してちょうど20年目…アッという間やね


──加矢太騎手と田中学騎手と共演されたカンテレ競馬の動画について、いまだに反響が届いております。今週は、その動画にまつわるこんな質問から。「YouTubeの『カンテレ競馬』、楽しく拝見しました。動画のなかで、JRAに移籍してから20年と聞いて驚きました。小牧騎手にとって、あっという間でしたか? それとも園田時代より長く感じますか?」。

小牧 今年が移籍してちょうど20年目やねん。園田には18年いたから、もう園田より長いねんなぁ。それでもやっぱり園田のほうが印象深いね。

──園田では、競馬のケの字もわからないところからスタートしたんですものね。

小牧 うん。JRAにきてからは、なんかアッという間や。いまだに移籍してきた人って思われてると思うし、自分でもそういう感じやもんね。それでも20年やから。いろいろあったのかもしれんけど、時間が過ぎるのが本当に早い。馬に乗り始めてから、もう40年やで。我ながらすごいと思うわ。

──この『太論』も、今年の9月で丸12年ですからね。そう思うと、確かにアッという間です。

小牧 もう12年も続いてるんや…。

── 初めて取材させていただいたのが東日本大震災があった年の夏だったので、よく覚えています。

小牧 ああ、そうなんや。本当にアッという間やねぇ。好きなことしとかなアカンで。悩んだり迷ったりしているうちに、人生終わってしまうから。僕自身のことで言うとね、ケガはちょろっとあったけど、大きな病気もせんと、この歳まで続けてこられた。今に始まったことじゃないけど、この年齢になったらもう1年1年やからね。正直に言うと、ここまで乗ってこられたのが不思議なくらい。

 昔だったら、土日休みになってしまったら落ち込んでたで。でも、乗り続けたいなら、そういう状況にも慣れなアカンねん。年齢からしたらね、いつ辞めてもおかしくないわけやから。それでもね、今日新聞を見たら、ダービーの記事で(武)豊くんが載ってた。内田(博幸)くんも、久しぶりにGI(NHKマイルC)を勝ったしね。羨ましいなぁと思う。まぁ健康でここまで続けてこられたのが何よりやね。

太論

▲シャンパンカラーでNHKマイルCを勝利した内田博幸騎手(撮影:下野雄規)


──健康といえば、今年も恒例の健康診断がありましたよね? 結果はどうでした?

小牧 肝臓の数値がちょっと…。

──私も人のことは言えませんが、それは自業自得のところも(笑)。

小牧 はい(苦笑)。あとはね、骨密度の数値が急に悪くなった。骨密度年齢、50歳って書いてあったで。

──実年齢よりは若いけど、確か小牧さん、去年まで骨密度年齢20歳くらいじゃなかったでしたっけ?

小牧 そうやねん。急に50歳になっていてショックやったわ。でも、食事には気を遣っているし、なにより元気。心配はしていないけどね。

──では、最後にもうひとつ質問です。「グレアミラージュについて質問です。正直、近走の着順を見ると厳しいかなぁと思っているのですが、先週の『太論』で「乗り方ひとつでチャンスがある」とおっしゃっていました。それはどういうところで感じるのですか? とても興味があります」。

小牧 先週も話したけど、今のクラスで3着とかきてるでしょ。乗った感触からしたら、力は十分通用すると思うんやけど、ちょっと乗り難しさがあるからね。その乗り難しさを克服できたら、なんとかなるんちゃうかなと思うから、「乗り方ひとつで…」と期待してるんやけど。

──背中の感触から、通用する能力を感じるということですね。

小牧 そうやね。追い切りも動くし。あとはもう本当に気持ちの問題。ちょっとズルいところがあるんやけど、それはもう性格やね。ゲートも入りが悪かったりしてるでしょ? たぶんあの馬、賢いんだと思う。賢いぶん、素直じゃないねん。先週は結局、見送ったんやけど、今週は使えると思うよ。

太論

▲「賢いぶん、素直じゃない」グレアミラージュ(ユーザー提供:エルフの友達さん)


(文中敬称略)
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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