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「正直、ダービーの重みがわからんかった」2008年スマイルジャックで2着──今になって思う「あのとき勝っていたら…」

  • 2023年05月30日(火) 18時01分
太論

▲まずは先週の振り返りから(撮影:桂伸也)


先週は、出走を予定していた馬が無念の除外となり、「今週こそは!」と多数の追い切りに乗って、週末に備えている小牧騎手。

元気が有り余っているそうで、週明けには盟友とバーベキューを楽しんだそう。また、ユーザーの質問に答える形で、先日引退を発表した竹之下智昭元騎手との意外な交流が明らかに!
(取材・文=不破由妃子)

引退した竹之下元騎手に…すれ違うたびに「裏切者!」!?


──先週は、ハワイアンパレスが除外になってしまって。

小牧 しょうがないね。グレアミラージュは使うところがなかった。今週も登録する予定やけど、1200mしかないみたい。ずっと1400mを使ってきたから、1200mはちょっと忙しいかもしれんね。

──あとは、ダイヤモンドロワ(3歳未出走)がそろそろデビューかと。ずっと小牧さんが調教を付けていますよね。

小牧 うん。芝1800mを予定しているみたいやから、来週かな。いい背中をしているんやけど、速くなったときにまだ上に飛んでいる感じで。乗り味はいいから、そこでスピードに乗ってくるようになればおもしろいと思う。芝に入れたらどういう走りをするか、楽しみにしてるよ。

──同じ馬主さん(林進氏)のヘイローグランも、2週連続追い切りに騎乗されています。

小牧 ヘイローグランはね、今度乗せてもらえるんやったら、もうちょっとジックリ乗りたいと思ってる。ゲートのなかの駐立がちょっと悪くて、最近も練習しているくらいなんやけど、一度レースで乗った感触としては、ジックリ行けばひと脚は使えそうな雰囲気があるから。スピードはあるからね。これまで使ったことはないけど、1000mがいいんちゃうかな。

──態勢が整っている馬はたくさんいるので、あとは何とか入ってくれれば。

小牧 そうやね。人間は体調バッチリやから。もう元気が有り余ってるわ(笑)。昨日は久しぶりにバーベキューをしてね。コロナでずっと控えていたから、何年ぶりやろ。ビールサーバーをレンタルして、ビールを堪能しましたわ。生ビール、美味しい!

──今回のメンバーは?

小牧 今回は、シルポートを担当していた松尾心くんのご自宅で。いつも庭を解放してくれるんですわ。同じ鹿児島の出身で、シルポート以来の付き合いやから、彼とももう長いなぁ。昼の12時から始めて、家に帰ったら夜の9時半やったわ。

太論

▲小牧騎手とのコンビで11年、12年のマイラーズCを連覇したシルポート(C)netkeiba.com


──めっちゃ長丁場!

小牧 いったい9時間も何を喋ってたんやろう(笑)。

──アッという間に時間が過ぎたというのは、楽しかった証拠ですね。

小牧 ホンマやね。また一緒にレースに臨めたらいいな。

──では、最後に質問をひとつ。「竹之下騎手が引退されました。一番の思い出として、2019年のダービーに騎乗できたことを挙げていたのを見て、やはりジョッキーにとってダービーは特別なものなんだなぁと改めて思いました。小牧騎手にとっても、やはりダービーは特別ですか? あと、竹之下騎手との思い出があれば教えてください」。

小牧 園田から移籍して2、3年は、正直、あんまりダービーの重みがわからんかった。でも、何年も中央で乗っているうちに変わってきたね。「あのとき勝っていたら…」と今になって思うよ。

──2008年のダービーですね。スマイルジャックに騎乗して、ディープスカイの1馬身半差の2着。

太論

▲2008年の日本ダービーで2着となったスマイルジャック(撮影:下野雄規)


小牧 あのときは、「ああ、2着やったかぁ」と普通に受け止めたんやけど、時間が経つにつれ、なんか結果の重みが変わってきた感じがする。

──今でもゴール前が鮮明に思い出されます。内と外で大きく離れたゴールで。

小牧 僕も覚えてるよ。難しい馬やったけど、ダービーだけは、あれ以上ないくらい上手いこと乗れたんや。ダービーか…、もう一度乗りたいなぁ。

──竹之下騎手とは、交流はありましたか?

小牧 竹之下くんとは、騎手旅行に行ったときは必ず一緒に飲んでたよ。彼は武兄弟となぜか仲が良くて、僕は僕で豊くんと一緒にいることが多いから、その流れで一緒に飲んでた。また彼もよう飲むねん(笑)。

──そうでしたか。呑兵衛つながり(笑)。

小牧 引退するっていう記事が出た次の日だったかな、トレセンでお互いに馬に乗った状態ですれ違ったんやけど、顔を見た瞬間に「裏切ったな」って言うたったわ。

──「一緒に頑張ろうな」みたいな話をしていたんですか?

小牧 そうそう。「小牧さんはまだまだですね」「そんなことないで」とか言いながらね。だからあれ以来、すれ違うたびに「裏切り者」って言うことにしてる(笑)。まぁ年齢に関係なく、仲間が引退するというのは寂しいもんやね。

太論

▲先日引退した竹之下智昭元騎手(C)netkeiba.com


(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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