長期休養からの復活 2500m適性血統で次走も軽視禁物
血統で振り返るアルゼンチン共和国杯
【Pick Up】マイネルウィルトス:2着
今年7月、繋靭帯炎による休養から約1年ぶりに復帰したあと、4戦目にしてようやく馬券圏内に絡みました。東京芝2500m戦はこれで3戦していずれも2着。アルゼンチン共和国杯2着は2年ぶり2回目です。
先日の菊花賞で7着となったマイネルラウレアの半兄。父スクリーンヒーローは、モーリス、ゴールドアクター、ウインマリリンなどの父で、競馬場を問わず芝2500mでは[4-4-2-9]と優秀な成績を挙げています。東京芝2500mに限ると[1-3-1-3]で、連対率50.0%、複勝率62.5%と驚異的な成績です。2015年にゴールドアクターがアルゼンチン共和国杯を勝っています。
17番枠ではなく内枠を引いていれば、もっときわどい競馬になっていたかもしれません。ゴールドアクターはアルゼンチン共和国杯を勝ったあと、8番人気で出走した有馬記念を制覇しました。前述のとおり2500mに対する適性の高い血統なので、もし仮に有馬記念に駒を進めれば、大穴候補として無視できない存在になりそうです。
血統で振り返る京王杯2歳S
【Pick Up】コラソンビート:1着
中団から鋭く伸び、1番人気に応えました。京成杯2歳Sを牝馬が勝ったのは1998年のウメノファイバー以来25年ぶりです。同馬は翌年、オークスを制覇しました。
父スワーヴリチャードは新種牡馬で、これが初めての重賞勝ち。新種牡馬ランキングで首位を独走し、すべての種牡馬を合わせた2歳種牡馬ランキングでも、エピファネイアから首位を奪い返しました。翌日曜日の百日草特別もアーバンシックが勝っています。2歳世代の血統登録頭数は、エピファネイアの160頭に対し、スワーヴリチャードは82頭。
ほぼ半分です。それでいてこの成績なので、種牡馬として豊かな才能を秘めているのは間違いありません。優れた決め手を持っているので、東京コースや、阪神・京都・新潟の外回りコースなどの、末脚の威力がモノをいう舞台で良績を挙げています。来年、繁殖牝馬の数が増えるだけでなく、質も大きく上昇するはずなので、産駒の質はさらに優れたものになるはずです。
母の父オルフェーヴルは、少ないサンプルからドゥラエレーデ、コラソンビート、ナナオと、活躍馬が目立っているので、ブルードメアサイアーとしてもこれから注目を集めそうです。
知っておきたい!血統表でよく見る名馬
【フォーティナイナー】
米2歳牡馬チャンピオンに選出され、2、3歳時にダートGIを4勝しました。引退後はミスタープロスペクターの後継種牡馬のなかでも指折りの大物となり、多くの活躍馬を送り出しました。米リーディングサイアーとなったディストーティドヒューマーや、日本向きのエンドスウィープが系統を発展させています。
基本的にはダート向きで、この系統らしいスピードに恵まれています。エンドスウィープの息子アドマイヤムーンは、母の父がサンデーサイレンスであるためか珍しく芝向き。先週土曜日のファンタジーSを勝ったカルチャーデイ(父ファインニードル)は、アドマイヤムーンの直系の孫です。
血統に関する疑問にズバリ回答!
「GIが出た母馬に同じ種牡馬を付ける場合、付けない場合 それぞれどんな時?」
同じ種牡馬を付けるのは、GI馬の再現を期待したときです。付けない場合は、他の種牡馬と交配すれば違ったタイプの大物が出るのではないか、という期待感に基づいた選択です。
GI馬を出すほどの優れた繁殖牝馬がいる場合、違う配合を試したときにそのGI馬と同等、あるいはさらに大きなスケールの名馬が誕生するのでは、という欲が出るのは普通です。とりわけ、GI馬を出した種牡馬よりも格上の種牡馬がいる場合、そちらを試してみるのは珍しいことではありません。