スパーキングレディーC(7月5日 サラ3歳以上・牝、別定 交流GIII ダート1600m)
「スパーキングレディーC」は、平成10年から交流G昇格。以後8年間、JRA・6勝(2着・6回)、地方2勝(2着・2回)。14年に、ジーナフォンテンとアインアインで、1度だけ南関ワンツーはあったものの、ほぼJRA上位独占で推移してきた。ただ連覇した馬はまだなく、ここ3年など、レマーズガール、グラッブユアハート、トーセンジョウオー、めまぐるしくヒロインが交替している。1番人気=8、1、2、2、5、2、2、3着。馬単平均配当2810円。小波乱、中波乱というケースがここまで多い。逃げた馬=4、14、12、3、9、14、14、2着。おおむねハイペースで流れ、昨年オルレアンが唯一、初めての連対だった。
◎グレイスティアラ(54・田中勝)
○グラッブユアハート(56・安藤勝)
▲レマーズガール(57・内田博)
△トーセンジョウオー(56・後藤)
△ミライ(55・金子)
△レイナワルツ(55・兒島)
△グローバルリーダー(55・山田信)
オルレアン(55・今野)
テンセイフジ(56・酒井)
再三書いてきたことだが、ここ数年の牝馬交流Gは、そのレベルがはなはだあやしい。例えば、レマーズガール…6勝、グラッブユアハート…5勝、トーセンジョウオー…3勝、などというタイトル数。どれをとっても絶対的な強さがない裏返しで、そのときどき、展開やら状態やらで勝ち馬が決まってきた。実際、彼女らは牡馬相手にほとんど通用しない事実があり、ホクトベガ、ロジータはもちろん、ファストフレンド、プリエミネンスの域にも大きく遠い。“女傑”が存在しない以上、このヒエラルキー、勢力図は、“新鋭”によって破られる。
3歳馬グレイスティアラ。交流Gすでに3勝、それも「全日本2歳優駿」、「兵庫チャンピオンシップ」、牡馬をねじ伏せるレースで勝った。アテスト、フレンドシップ…。2着馬だけ並べると頼りないが、グレイス自身はその前後、芝クラシックロードでもソコソコ見せ場を作っている。前走「関東オークス」惜敗は、対チャームアスリープ、2100m適性の差がすべてだろう。当時馬体を増やして出てきたあたり、イメージ以上にタフでしたたか。ビュッと切れる瞬発力はマイル戦で最も生きる。
昨秋「クイーン賞」10馬身差勝ちなど、一歩抜け出したかにみえたグラッブユアハートだが、以後TCK女王盃、マリーンC、結果勝ったものの、レースぶりに凄みがない。レマーズガール、トーセンジョウオーとは、再び展開しだい、状態しだいの序列だろう。地方側ではミライに期待。依然一進一退だが、昨春桜花賞は、現実に1600mを1分39秒5のレースレコード。うまく折り合って好位差しが理想になる。グローバルリーダーはマイルがやや忙しそうで、それなら川崎3戦目、レイナワルツの機動力か。