黒潮盃(8月16日 大井 サラ3歳 別定 南関東G2 1800m)
クラシック終了後、盛夏の重賞へと様がわりして8年目(98年まで羽田盃TRとして4月に施行)。当初は南関東限定、出走馬のレベルが物足りず、“単発・一過性”のうらみもあったが、一昨年から地方交流戦に条件変更。GI「ダービーグランプリ」出走権もからみ(1着馬優先出走)、がぜん熱気を帯びてきた。昨年はボンネビルレコードの優勝。昇り馬がそろった今年はなおさら新星への夢が大きく、同時に人気が割れる上位拮抗、馬券的にも興味深い。
◎リコーシャワシャワ(55・戸崎)
○アスターバジル(55・今野)
▲ステップクローザー(55・内田博)
△ケイアイプラネット(55・石崎隆)
△ウインドファンタジ(56・的場文)
△サワライチバン(56・石崎駿)
△グリーンベイ(53・酒井)
ロイバーエクセル(55・森下)
サンダーオブハード(55・山田信)
出走馬の大半が底をみせない成長株。中でもリコーシャワシャワを本命にとった。デビューから[3-5-0-2]は数字とすると凄みが薄いが、前走初コースの大井を大楽勝。それも1800m、先行して二の脚を使ったレースぶりに強いインパクトを感じた。グランドオペラ×メジロマックイーンの長距離血統。体型もすらりとスリムで、単なる快速馬とは思えない。鞍上は、内田博、的場文、今季その大井リーディング3位につけるまで腕を上げた戸崎騎手。人馬ともフレッシュな魅力はNo.1とイメージする。
アスターバジルは5連勝のカコイーシーズ産駒で、現実に3走前リコーシャワシャワに完勝している(2馬身差)。大井2勝、距離面も不安がなく、ごく普通には最有力で当然だろう。あえて一枚評価を下げたのは、しばしばみせる反応の鈍さ。前走距離不足の1600mにせよ、明らかに格下と思えるウエノマルタロベエと最後クビ差の辛勝だった。ペースの上がる勝負どころでどう動くか。ともあれここで同馬がすっきり勝てれば、一躍、世代No.1ホースの評価が出てくる。
ケイアイプラネットは[4-1-0-0]、前走JRA交流1800mを難なく勝った成長株。社台F生産、吉田照哉オーナーのステップクローザーもやはり[4-1-0-0]の素質馬で、ほぼ傷のない戦歴のままここに駒を進めてきた。2頭とも追って味があり、前者タバスコキャット、後者ホワイトマズル産駒なら成長力も期待できる。大井2度目、園田の雄ウインドファンタジも的場文騎手で侮れず、実績上位サワライチバン、ダーレーの牝馬グリーンベイ…、△4つをつけて、正直まだ印が足りない。ひとまず記者本人はリコーシャワシャワから流し馬券を買ってみる。