JBCクラシック(11月3日 川崎 サラ3歳以上 定量 交流GI 2100m 良)
▲(1)タイムパラドックス 2分16秒1
◎(2)シーキングザダイヤ 1.1/2
△(3)ボンネビルレコード 3/4
○(4)ハードクリスタル クビ
(5)マンオブパーサー 1.1/2
…………………
△(7)ビービートルネード
△(9)アスターバジル
(11)マズルブラスト
△(12)レマーズガール
単1,190円
馬複740円
馬単2,530円
3連複7,490円
3連単41,590円
タイムパラドックスが、昨年名古屋に続き連覇を飾った。強力な逃げ馬不在。各馬、相手の出方を探り合うような序盤だったが、結局意を決したマズルブラストが一周スタンド前から先手をとり切りペースが落ち着く。タイムパラドックスは、1コーナーを回って早くも2番手。「作戦というより、カカって持っていかれた感じ。でも、馬自身が“行け”と思っている、そう納得して乗りました」(岩田康誠騎手)。シーキングザダイヤ、ハードクリスタルら有力どころが先団にひしめき、ややゴチャついた3コーナーで、思い切りよく先頭を奪ってしまう。直線で使った息の長い末脚は、この馬の真骨頂。ゴール前100m、懸命に追い上げる後続も脚いろが一緒になった。2分16秒1、重い砂を考慮しても平凡すぎる時計(レコード=12秒8)だが、ひとまず地力と貫禄で勝負に勝った、そういう見方が正着だろう。
タイムパラドックスは、これがダートGI・5勝目。すべて2000m以上の勝利となった。「年が年だし(8歳)、今年は出られるだけで満足という気持ちもあった。嬉しいと同時に驚いた。頑張りのきくたいした馬…」(松田博調教師)。同調教師は02〜04年、アドマイヤドンでJBCクラシック3連覇、今年で何と5連覇という快挙だった。2頭とも高齢を迎え、衰えどころかますます勝負強さ、持久力を増してくる。パラドックスの場合は、父ブライアンズタイム、その成長力、懐の広さも大きいだろう。いつも浮かんでくる言葉だが、「もう(衰えたか)は、まだ(健在)…」の典型例。ダート中〜長距離、その名馬は、総じて驚異的な生命力、打たれ強さを持っている。
シーキングザダイヤは8度目のGI・2着。ただし今回はゴール際勝ち馬に再び突き放され、内容的に不満の残る“銀”だった。内枠で道中終始包まれたこと、休養(ノド手術)明け3戦目、体調が100%まで戻らなかったこと。いずれにせよ、ベスト左回り2100、ビッグ2不在…絶好のチャンスを逃した感は否めない。ボンネビルレコードは中団から半端に動かず、直線に賭ける自分のフォーム。最後はシーキングに迫るシーンがあり、切れと個性は十分示した。川崎初コース。左回りをこなした点でも収穫が大きいだろう。ハードクリスタルは勝負どころの3〜4コーナーで動ききれず、少々不器用な面があるかもしれない。マンオブパーサー、ビービートルネード、アスターバジルの3歳馬は見せ場を作って入着ライン。経験が必要なダートGI、それぞれ今後の成長に注目したい。