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彩の国浦和記念・回顧

  • 2006年11月27日(月) 23時49分
 彩の国浦和記念(11月22日 浦和 サラ3歳以上 別定 交流GII 2000m 重)

△(1)ケイアイミリオン 2分06秒5
 (2)キングスゾーン 1.1/2
△(3)レマーズガール 1
▲(4)グラッブユアハート クビ
 (5)チョウサンタイガー 1.1/2
…………………
◎(6)ビービートルネード
△(7)コアレスタイム
○(9)クーリンガー

単2640円
馬複38620円
馬単79160円
3連複51210円
3連単520800円

 ケイアイミリオンが、初の交流G挑戦でいきなり大金星をあげた。昨暮れ以来およそ1年の休み明け。しかし抜群のダッシュ力で先手をとると、道中ぴたり折り合いがつき、1000m通過62.9秒、絶妙のマイペースに持ち込んだ。「初めて乗った馬ですが、センスがあって頭が良い。後ろから迫ってくると、そこでまたスッと離す。久々でこの相手に勝つのだから大したものです」(今野J)。先行有利の馬場が味方したこと。JRA勢がコースに戸惑ったこと。それでも2000m2分06秒5は水準(昨年ヴァーミリアン=06秒8)に達しており、人馬一体、素晴らしい競馬をしたことは間違いない。

 ケイアイミリオンはJRA5勝の転入馬。現8歳馬ながら、たび重なる故障休養でキャリア20戦とまだ若く、昨暮れ、埼玉新聞杯(浦和1900m)→報知オールスターC(川崎2000m)、重賞連破で中距離スピード能力を証明していた。レース前「できることはすべてやって満足な仕上がり。この顔ぶれなら好勝負になるでしょう」(中村護調教師)。意外なほど強気なコメントも終わってみると納得がいく。アフリート×ヌレイエフの血統背景。次走は「東京大賞典=12月29日大井」、「オールスターC=1月3日川崎」の両睨みだが、現実にこの日の勝利で大賞典GI優先出走権を獲得している。体調さえ維持できれば、むろんそちらのチャレンジに興味が沸く。

 JRA勢。レマーズガールは道中中団を進んだものの、馬自身初コースを警戒したか向正面でブレーキがかかりいったん後退。その直後で折り合ったかにみえたグラッブユアハートも、最後思うように伸びなかった。この牝馬2頭は結局、その日のフィーリング次第、体調次第ということか。クーリンガーはスタート自体がピリッとせず、そこで戦意喪失のムードが濃い。終始後方のまま見せ場すら作れなかった。とにかくムラ馬。追い切り凡走→不調説もあったが、走ってみないとわからない、常につかみづらい面を抱えている。

 キングスゾーン2着は、8番人気ながらフロックで片付けられない内容だった。勝ち馬の直後で折り合いをつけ、直線並びかけてきたレマーズ、グラッブを逆に二の脚で突き放した。強敵相手の経験を積み、父キングヘイローらしい成長力が出てきたこと。山本茜Jの度胸の座った騎乗ぶりが光ったこと。もっとも本人からは「よく走ったけれど悔しい2着。もう少し強気に乗っていたら勝ったかもしれない。まだまだ(自分の騎乗に)課題ばかりです」というコメントが出た。彼女自身、馬に相当の手応えがあるのだろう。ビービートルネードは本質的に小回りがよくないか、終始外々を回りロスの大きい競馬にみえた。コアレスタイムは前半からカカリ気味。短〜マイルを使い込んできた影響で、まったく持ち味が出ていない。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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