テレビ埼玉杯(12月20日 浦和 サラ3歳以上 別定 南関東G3 1400m 梢重)
△(1)チョウサンタイガー 1分26秒7
△(2)カセギガシラ 3
▲(3)グリンセレブ ハナ
△(4)ベルモントソレイユ 1/2
△(5)マクロプロトン 1
…………………
◎(6)ベルモントストーム
(7)ブローザウインド
○(12)クリアーザコースト
単780円
馬複5,920円
馬単13,460円
3連複9,430円
3連単73,500円
チョウサンタイガーが鮮やかなまくりで快勝した。ベルモントソレイユ、ブローザウインド、エスプリフェザント、3頭横並びの先行。35.4秒〜48.0秒のペース自体は短距離オープンとすると速くもないが、互いに脚色を探りあうような形で、どれもすっきりと抜け出せない。チョウサンタイガーは、3コーナー手前、膠着状態になったところを一気に出た。絶妙のタイミング。小回り浦和を勝ち切る、そのお手本のような騎乗でもあるだろう。「返し馬のときからデキのよさが伝わってきた。直線早めに先頭。あとは後ろから何も来ないで…の気持ちでした」(酒井忍J)。1400m1分26秒7。時計のかかる馬場にしても平凡の域を出ないが(昨年ブルーローレンス=25秒3)、事実3馬身差独走だから、数字を別に人馬会心のレースといえる。
チョウサンタイガーは、父アジュディケーティング(母の父シンボリルドルフ)、6歳の牡馬。[14-3-7-9]の戦歴ながら下積みの時期が長く、重賞はこれまで4、4、8、3、3、5、2、10、7、5着。堅実、自在を売りとする反面、ジリ脚、決定打不足のイメージも固まりつつあった。「正直思ってもみなかった瞬発力。しかも58kgを背負っていたから驚いた。順調に使ってこられた、その積み重ねという勝利でしょう」。八木仁調教師は勝因を、“積み重ね=経験”と振り返った。状態がピークに達したこと。絶好の舞台(浦和1400m)を得たこと。ジョッキーが最高の騎乗をしたこと。ひとつ気どった言葉を使うなら、「一瞬を切り取った勝利」、そんな表現になるかもしれない。次走は明春「川崎記念=交流GI」。強敵相手にパワーアップが課題になる。
カセギガシラは、道中逃げ争いを睨む形の4番手。これ以上ないポジションでレースを運んだ。しかし、自ら仕掛けどころを選ぶうち、勝ち馬に一気の脚を使われた。「相手が走ったから仕方ない」(的場文騎手)のコメントは、当然しごく。短〜マイル、オープンの安定勢力(重賞2着3度目)ははっきりしたが、運のなさも含め、ここ一番のパンチ力が不足している。ゴール際、中を割って伸びたグリンセレブも同様だが、こちらは牝馬だけに、顔ぶれしだいでチャンスも巡るか。ベルモントストームは中団からわずかに差を詰めただけ。予想者とすると、なかなか2〜3歳時の実績、イメージを捨てきれないが、ごく客観的には、馬自身早熟という面もあるのだろう。クリアーザコーストは外枠から後手を踏んだ時点で戦意喪失。すんなり行ける顔ぶれならもう一度注目したい。