ダイオライト記念(3月7日 船橋 サラ4歳以上 定量 交流GII 2400m)
南関東で行われる交流Gでは、唯一2000mを超す長距離戦。96年から11年間、いかにもそれらしい最強クラスの本格派が勝ってきた。初年ホクトベガを皮切りに、アブクマポーロ(2連覇)、インテリパワー、カネツフルーヴ…などGIタイトル馬の勝利が目立ち、キョウトシチー、リージェントブラフ、タイムパラドックス、古豪、重量級が、例年上位を占めている。とりわけ1番人気[6-4-0-1]は驚異的なアベレージ。1→2→3人気通りのワンツースリーも2度あった。02年、トーシンブリザード敗戦(1人気=5着)時が、馬単5100円の最高配当。
所属別では、JRA7勝、船橋3勝、東海1勝(16年ミツアキタービン)。2着はJRA8、川崎2、大井1。JRA、地方を問わず実績上位馬が断然強いことが特長で、ノンタイトル馬(重賞未勝利)の連対は、デュークグランプリ(97年)、マイターン(00年)など、ほんの数例しかない。逃げた馬は、2、3、5、2、1、5、10、1、4、4、2着。おおむねスロー、大きくは崩れないが、案外勝ちづらいという傾向もある。昨年ヴァーミリアンに代表される先行抜け出しがやはり理想。
◎ナイキアースワーク
(55横山典)
○クーリンガー
(56和田竜)
▲サイレントディール
(56武豊)
△キクノアロー
(55安藤勝)
△パーソナルラッシュ
(56御神本)
△マルブツリード
(55蛯名)
△マズルブラスト
(56今野)
キングスゾーン
(56岡部誠)
クールアイバー
(56石崎駿)
ごく普通には、サイレントディール、クーリンガーの線だろう。この2頭は、2月12日「佐賀記念=GIII2000m」でハイレベルの一騎打ち。前者が1/2馬身先着、ともにレコードを更新している(3着キングスゾーンに6馬身差)。サイレントはフェブラリーS・2着、帝王賞3着、クーリンガーは東京大賞典3、2着など、元より実績、格も申し分ない。ただ、再度これで堅いかとなると、何かイメージが希薄ではある。2頭ともムラ馬の典型。例えばクーリンガーは昨年、マーキュリーC、東京大賞典を人気薄で好走し、白山大賞典、浦和記念を上位人気で大敗した。大駆けの魅力と同時に、“謎の凡走”、不可解な面も多すぎる。
ナイキアースワークを狙った。川島正行厩舎から再スタート。もちろんそれも魅力だが、前提は昨春「ユニコーンS」の豪快な勝ちっぷり。そこに同馬のパワー、底力を感じている。当時4コーナー9番手から大外一気。直線だけで後続をあっという間にちぎってみせた。以後、JDダービー、ダービーGP、4、6着。敗因は「腰が甘くダッシュがつかない…」というコメントだった。しかし2月23日、大井で受けた調教試験は持ったまま終始軽快。父ブライアンズタイム、いずれにせよこれからという馬だろう。馬券的には初戦が妙味。
JRAの新星、キクノアロー、マルブツリードは、ともにダート路線で着実な成長をとげてきた。前者キングヘイロー、後者アフリート産駒。血統背景も地方ダート向きを感じさせる。パーソナルラッシュは3歳時ダービーGP、一昨年このレースを制したが、前走金盃を見る限り、馬自身の気持ちが前向きと思えない。思い切った逃げを打ってマズルブラスト、キングスゾーン。クールアイバーはレース巧者の反面、決定打を欠く弱み。年齢的にプラスアルファも望みにくい。
余談だが、このレースを登録後回避したシーチャリオットは、3月25日中山「マーチS=GIII1800m」に挑戦する。相手関係はともかく、自身前走「報知グランプリC」2着で復調を示した。右回りベターだけに楽しみがある。