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浦和桜花賞・展望

  • 2007年03月19日(月) 23時49分
浦和桜花賞(3月21日 浦和 サラ3歳牝馬 定量 南関東G1 1600m)

 「桜花賞」が3月に行われるのは、過去51年の歴史で初めて。次開催(4月23日〜)には、リニューアル重賞「しらさぎ賞=3歳以上牝馬1400m」が予定され、その関係で前倒しになったようだ。今年は開花予想こそ早かったものの、ここにきて厳しい冷え込み。果たして21日、ちらほら咲き始めているだろうか。余談だが、JR南浦和駅から競馬場への往復。通り道に小公園が2つあり、そこでなかなか見事な枝ぶりの桜が見られる。この開催、天気がよければ、徒歩の行き帰りをおすすめしておく(片道20分ほど)。

 平成9年から10年間のデータ。1番人気[4-1-1-4]、2番人気[2-0-2-6]、3番人気[0-0-3-7]。総体的に波乱ムードで、その勝ち馬中、後に大成したといえるのは、13年ナミ、14年ラヴァリーフリッグ、18年チャームアスリープなど、ごく少数に限られる。16年には単オッズ1.2倍ビービーバーニングが9着に沈み、カネマサヴィーナス→ラヴリーズン→クラメガミ、馬単60,140円、3連単570,920円の超大穴が飛び出した。

 所属別では、船橋=4勝2着2回、川崎=3勝2着3回、大井=2勝2着4回。地元浦和も、11年ワンダールナ優勝、13年ヴィジョンコマチ2着と他重賞に較べ健闘している。逃げた馬8、2、2、10、1、1、1、9、1、11着。ただこれは近年の傾向に限られ、過去20年まで遡ると、[5-4-0-11]。勝率、連対率ともイメージほど高くない。いわゆる“重い血統”の馬が意外に強く、古くはアラナス、シーホーク、ミルジョージ、近くはカコイーシーズ、ジェイドロバリー、ティンバーカントリーなどの産駒が活躍している。

◎ブラックムーン
(54真島)
○アグネスターフ
(54町田)
▲カネショウバナナ
(54今野)
△シーベルリーフ
(54山崎)
△エアショセット
(54左海)
△マルノマンハッタン
(54石崎隆)
△タガタメ
(54山口竜)
パチョリ
(54内田博)
グランドカズマー
(54坂井)
トミノクロカミ
(54御神本)

 故障馬続出(エイコークック、ヒビキウィンなど)という状況で、正直低レベルは否めない。しかしただ1頭、ブラックムーンは“名牝”への可能性を秘めている。金沢6勝で南関東トレード。何より2戦目「東京2歳優駿牝馬」の勝ちっぷりが素晴らしかった。当時スタートから終始モタつき、4コーナー9番手の大ピンチ。直線外ラチぎりぎりを一気に突き抜けた豪脚には、誇張でなく息をのんだ。1600m1分41秒8も、その時点で古馬B1〜B2レベルに達している。以後2か月半のオーバーホール。牡馬相手の「雲取賞=5着」をステップに、ここへ臨む。本来は前々をさばけるレース巧者。父ブラックタキシード(SS産駒・セントライト記念勝ち)なら、血統背景にも奥がある。的場文男騎手負傷欠場、代役・真島大輔騎手は、昨年桜花賞、スターオブジェンヌで好騎乗の2着だった。

 以下は一長一短で展開を重視する。再び山口竜騎手に替わったタガタメが一気に飛ばし、それをエアショセット、パチョリらが一団で追う厳しい流れ。ブラックムーン=4角抜け出し…を想定すると、2〜3着は追い込み馬のイメージがわく。実績上位はTR「ユングフラウ賞」勝ちカネショウバナナ。カコイーシーズ産駒らしい勝負強さが身上で、デビューから7戦、1度も掲示板を外していない。ただ一戦ごとに減り続ける馬体(新馬440kg→前走423kg)はやはり心配。少なくとも今春の時点ではもう上り目がないだろう。充実度でアグネスターフ、シーベルリーフを互角にみた。とりわけアグネスは前走JRA交流を鮮やかな差し切り。いかにも乱戦向きのムードがある。復調マルノマンハッタンも、石崎隆之鞍上なら末脚勝負に徹するか。先行馬ではエアショセットを上位にとった。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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