スマートフォン版へ

かしわ記念

  • 2007年04月30日(月) 23時49分
 かしわ記念(5月2日 船橋 サラ3歳以上 別定 JpnI 1600m)

 交流ダートグレード(現Jpn)に位置づけられ、はや11年のときが流れた。96年第1回(新生)をヒカリルーファス(大井・高岩隆厩舎)が勝ち、以後10年間、JRA=5勝、2着5、南関東=5勝、2着5。がっぷり四つの戦いが演じられてきた、貴重かつ力の入るレースである。出走馬の大半が一線級。総体的にはむろん堅めで、1番人気[5-2-0-3]、2番人気[1-2-5-2]、3番人気[1-0-4-5]。はっきり“波乱”といえるのは、スターリングローズ→ラヴァリーフリッグで決着した03年、ただ1度になるだろう(1番人気=ビワシンセイキ10着)。98年アブクマポーロは、このレースで1600m1分35秒4、不滅とも思える大レコードを樹立した。きわめて格の高いJpnI。まずそういう前提から入りたい。

◎ブルーコンコルド
(57幸)
○サンライズバッカス
(57安藤勝)
▲アジュディミツオー
(57内田博)
△ナイキアースワーク
(57横山典)
△ボンネビルレコード
(57武豊)
△アサカディフィート
(57小牧)
△パーソナルラッシュ
(57山田信)

 上位3頭は、すでにダートの名馬、そう呼ぶにふさわしい格と実績を持っている。同時に、それぞれまったく違う個性、キャラクターを有する点が興味深く面白い。徹底先行アジュディミツオー、希代の鬼脚ブルーコンコルド、クールな切れ者サンライズバッカス。だから今年のかしわ記念、本来なら名勝負の予感――そう胸をふくらませつつ書きたかった。が、現実は少し違う展開、結果になってしまいそうな危惧もある。前年の覇者、最も条件がいいはずのミツオーに少なからず不安材料が浮かんできた。昨暮れ東京大賞典、明けて川崎記念、さらに前走フェブラリーS。展開不利うんぬんはさておき、行き脚自体にミツオーらしい活気がなかった。彼は昔の彼ならず…。思いたくないが、ごく客観的にその懸念は拭えない。

 ブルーコンコルド、サンライズバッカスの比較は、前者のパワーと凄みをとった。同じ追い込み型にみえながら両者は大きくタイプが違う。コンコルドは、レベル下位の相手なら勝負どころで自力のまくり。対してバッカスはあくまで脚をタメて切れ味勝負。バッカス勝利のフェブラリーSは、その長所、短所が、明快に出た一番とふり返る。当時上がり35.0秒、なるほど数字上は互角だが、絶好のカウンターを決めたバッカス、さまざまなロスが多かったコンコルド。正直あの状況でよくもまあ連対した。震撼の爆発力と勝負根性。ましてコンコルドは昨年このレース2着、経験の強みもむろん大きい。

 △以下は、ワイド、3連勝馬券の対象で考えたが、ひとつ大駆けならナイキアースワークを推す。前走転入戦ダイオライト記念3着。長丁場スローにせよ道中反応が意外なほど鋭かった。昨春ユニコーンSを圧巻の差し切り。リフレッシュとみれば主力3頭に肉薄もイメージできる。南関びいきとしてこのパターン(JRA移籍・武豊騎乗)は少し嫌だが、能力、地方ダート適性からはボンネビルレコード。昨夏サンタアニタTを勝っている以上、忙しいマイル戦でも展開しだいで望みはある。アサカディフィートはタフな晩成型だが、本質的にダート1600mが合うのかどうか。実績互角パーソナルラッシュはスランプがどうにも長い。突破口を探る戦いだろう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング