羽田盃(5月9日 大井 サラ3歳 定量 SI 1800m)
南関東クラシック第一冠。過去10年、1番人気[6-1-0-3]、2番人気[2-5-0-3]とアベレージがきわめて高く、力関係が確定していれば、ほぼ波乱のないレースといえる。3番人気以下で勝ったのは、04年トキノコジロー、06年サンキューウイン2頭だけ。トーシンブリザード優勝の01年など、フレアリングマズル、ゴッドラヴァー、1〜3番人気、ワンツースリーの決着だった。
トライアル「京浜盃」勝ち馬が断然強く、過去10年1、1、1、7、1、3、1、不、1、7着。大敗した12年アイアイアスリート、18年サワライチバンは、以後の成績から、その年たまたま低レベルだったと納得できる。当然ながら「全日本2歳優駿」勝ち馬の強さもズバ抜けており、01年トーシンブリザード、02年プリンシパルリバー、2頭ともに完勝だった。所属別では、大井=5勝、2着4回、船橋=4勝、2着5回、川崎=1勝、2着1回。近年は趨勢通り、船橋勢独占というケースが目立つ。勝ち馬の平均キャリア=6.7戦、同2着=9.2戦。昨年サンキューウィン12戦が、連対20頭中、最も使い込まれていた。逃げた馬=6、12、1、1、2、13、1、15、2、1着。基本的に絶対能力の勝負で、“速度”が抜けていれば展開は二の次になる。
◎フリオーソ
(56内田博)
○トップサバトン
(56石崎駿)
▲レッドドラゴン
(56坂井)
△アートルマン
(56石崎隆)
△アンパサンド
(56戸崎)
△ロイヤルボス
(56加藤)
△ブライダルへイロー
(56的場文)
マンハッタンバー
(56酒井)
ヒデサンジュニア
(56山口竜)
エスプリベン
(56今野)
チェレブラーレ
(56張田)
フリオーソの能力を信頼した。前2走、JRA芝挑戦で7、11着。ある意味夢を断たれたが、ことホームに戻ってダートなら、むろん話が違ってくる。昨年暮れ(全日本2歳優駿=GI)は文字通りの圧勝劇。ハイペースを外々から捲りあげ、決定的な2馬身差。終い、なお余裕があった。相手、状況は違うものの、シーチャリオットと互角以上のインパクト。悠揚とした馬体、気性で、敗戦のショックはさして心配ないとみたい。近年ダート戦に活躍馬が集中する、父ブライアンズタイム。最後の傑作ともイメージできる。初コース、右回りは試練だが、それで人気が割れるなら、むしろ馬券上は妙味が出た。
「京浜盃」組。トップサバトンは初コースながら自然流の先行策。着差1/2馬身ながら危なげない内容だった。何より良馬場1700m1分46秒7が“確かなレベル”を物語る。鞍上テン乗り(御神本J・騎乗停止)でも流れに応じた自戦。信頼度がきわめて高い。当時2着アンパサンド、3着レッドドラゴン(クビ差)は、内田博Jで勝負と出た前者より、インをじっくり乗って馬を試した後者に収穫ありと判断する。アートルマンは大井2度目で落ち着いた競馬ができるかどうか。元より瞬発力に特徴。石崎隆Jの流儀からは、思い切った後方待機も考えられる。前走「クラウンC」で復調を示したロイヤルボス、格下ながら1800m、4連対の上昇馬ブライダルへイローまで圏内だろう。