羽田盃(5月9日 大井 サラ3歳 定量 SI 1800m良)
○(1)トップサバトン 1分51秒1
△(2)アンパサンド アタマ
◎(3)フリオーソ クビ
▲(4)レッドドラゴン 5
△(5)アートルマン クビ
…………………
△(6)ロイヤルボス
△(7)ブライダルヘイロー
(10)ヒデサンジュニア
(13)マンハッタンバー
エスプリベン 競走中止
単510円
馬複1450円
馬単3130円
3連複1060円
3連単8000円
ハイレベルかつ濃密な「羽田盃」だったといえるだろう。直線あと1F、3強による猛烈な叩き合い。真ん中トップサバトンがグイとクビを伸ばしたところが第一冠目のゴールになった。
ヒデサンジュニア、マンハッタンバーの先行で、1000m通過61.5秒。向正面、フリオーソ・3番手、アンパサンド・5番手、トップサバトン・10番手の位置取りは、スタート出たなりという格好だが、この3強には結局ペースが生温かった。掛かり気味に外から捲るトップサバトン、食らいついていくアンパサンド。あおられるようにフリオーソもスパートする。3〜4角、後ろが一気にちぎられた。直線は3頭併せ、容易に決着がつかないデッドヒート。ゴール際、外アンパサンドが一旦クビほど前へ出かかり、しかし最後の最後、トップサバトンがもう一度驚異的な闘志をみせた。「あぁ負けたかと思った瞬間、自らハミを取って差し返した。しぶとい。本当に凄い馬です」(石崎駿J)。同騎手は、御神本騎手騎乗停止(調整ルーム入室義務違反)で、今回テン乗り。今さらながら勝負ごととは、さまざま明暗と陰影が交錯する。
トップサバトンは道営出身、これで通算10戦5勝。昨暮れ「全日本2歳優駿」4着だから元より期待馬だが、それ以上に転入後の充実がめざましい。行き脚がついて抜群の加速力。しかもトップスピードが持続する。父タヤスツヨシは地味ながらすでにダートの名サイヤーといってよく、サバトン自身、そのパワーと勝負根性を100%受け継いだ。1800m1分51秒1は、羽田盃レースレコード。古馬G1に近いレベルで、上がり3F、12.7-12.1-12.9秒のラップからも、“名勝負”と断言できる。次走「東京ダービー=6月6日」はもちろん、JRA勢相手の「ジャパンダートダービー=7月11日」が待ち遠しい。今年は久々に“地方馬の年”そんな予感も浮かんできた。
2着アンパサンドは、記者のイメージを大きく超える底力をここで示した。レース運びは前走京浜盃とほぼ同じ。先に動いたサバトンを目標に直線強襲、3/4馬身→アタマ差と詰めてきた。馬体は依然華奢に写るが、精神面で逞しさを増したということか。戦法が固まっているだけに、今後距離延びても減点は考えにくい。3着フリオーソも、路線変更、初コース…ハンデが重なったことを思えば、十分合格点に達している。自身勝者と同タイムだから、例年羽田盃なら圧勝レベル。問題は急速に成長したライバル2頭を、次走どう捌いて雪辱するか。「大井コースは初めて。次につながる競馬はできた」(内田博J)。パドックの馬体、雰囲気などは以前にも増して威風堂々。少なくとも体調の狂いはなさそうだ。以下、レッドドラゴン、アートルマンは、4、5着でも5馬身ちぎられ、正直決定的な敗戦とみるしかない。上位3頭とは、勢い、完成度で大きな差がある。