さきたま杯(5月30日 浦和 サラ4歳以上 別定 JpnIII 1400m)
今年で11年目を迎える交流JpnIII(旧GIII)。節目となるデータがそろってきた。過去10年、1番人気[2-3-1-4]、2番人気[3-1-1-5]、3番人気[3-3-1-3]。堅いのか波乱含みか、どちらともいえない微妙な結果で、人気馬総崩れはない代わり、1番人気が案外…というケースも多い。馬単最高配当は、05年、ロッキーアピール(6番人気)→ストロングブラッド(4番人気)の73520円、最低配当は、03年、ノボトゥルー(2番人気)→ディバインシルバー(1番人気)の650円だった。
JRA勢に断然の強みがある。10年間で9勝、2着6回。地方側の優勝はロッキーアピールただ1頭で、2着がキクノウイン(船橋)、アインアイン(大井)、ゴールドプルーフ(名古屋)、ブルーローレンス(川崎)。善戦、健闘しても、あと一歩勝ちが遠い。浦和1400mは軽い砂の小回りで、ストレートなスピード勝負が基本ということ(99年JRAセタノキング=1分23秒8レコード樹立)。地方馬の食い込みは、おおむね時計がかかる“良馬場”に限られる。これは一つ注目すべきヒントだろう。牝馬は[1-1-1-13]。アベレージは低いものの、01年、ゲイリーイグリット→アインアインのワンツーがある。逃げた馬=3、1、5、5、7、5、8、7、2、7着。目標にされる不利がむしろ大きい。
◎フジノウェーブ
(56御神本)
○リミットレスビッド
(58岩田)
▲メイショウバトラー
(55武豊)
△ディープサマー
(57酒井)
△コアレスタイム
(56的場文)
△キングスゾーン
(56岡部誠)
△アグネスジェダイ
(58内田博)
ストロングブラッド
(59北村宏)
ロッキーアピール
(57山崎誠)
フジノウェーブに期待した。絶対能力、距離適性、すべてにまだ手探りの部分を残すが、何とも勢いのある10連勝。前2走、重賞=東京シティ盃、マイルグランプリも、直線軽々と抜け出す完勝だった。相手なり、機をみるに敏というレースぶり。今回ステージが上がり、むしろ自身、もう一段グレードアップの夢が浮かぶ。“馬中心主義”の高橋三郎スタッフ。思案を重ねた上のここ選択は間違いない(帝王賞は出否微妙)。一頓挫あった御神本J(10日間騎乗停止)の心機一転も併せて買う。
JRA勢。前走かきつばた賞(名古屋)3着は微妙なコース適性の差とみて、リミットレスビッドをとる。昨秋東京盃以来、強敵相手に一貫崩れない総合能力。現ダート短距離界、ごく客観的な評価をすれば最も信頼度が高い馬だ。そのかきつばた賞快勝のメイショウバトラーは、牝馬らしくいい脚一瞬という面があり、流れを捕えてどう乗るか。武豊Jとの相性はよさそうだ。ドバイ帰りアグネスジェダイは立ち直りの早いタイプだが、昨年勝った内容自体、時計を含め物足りない。ストロングブラッドはかしわ記念勝ち、帝王賞2着なら格上ともいえるが、そのぶん重い59kg。過去このレース2、3着ながらひと息忙しい条件か。むしろディープサマー。前走かしわ記念3着は頂上決戦を食い下がったもので意味が大きい。例によって川島正厩舎の再生術。良化しだいでチャンスもある。地味で人気にならないキングスゾーンが穴目。