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東京ダービー展望

  • 2007年06月04日(月) 23時49分
 東京ダービー(6月6日 大井 サラ3歳 定量56kg SI 2000m)

 以前も書いたことだが、南関東牡馬クラシックは、そのピラミッド上位が一定レベルに達している限り、総じて堅い。過去10年、1番人気[4-0-2-4]。一見頼りない数字にみえるものの、代わりに、2番人気[2-3-3-2]、3番人気[1-5-0-4]、仮に1人気が敗れても、ほとんどのケースで“準主役”が帳尻を合わせている。さらに絞ると、京浜盃→羽田盃連勝馬は、5頭中4頭までダービー制覇、ただ1頭負けたゴールドヘッド(98年)も2着をしっかり確保した。今年一連の流れも考え合わせ、伏兵の入り込む可能性はきわめて少ない。

 所属別では、船橋=7勝、2着2、大井=1勝、2着6、川崎=2勝、2着2。地元大井の凋落は趨勢通りだが、出走頭数を加味すると川崎勢の善戦が光っている。ただし、その船橋、川崎優勢は、転入馬によるものが大きく、とりわけ道営出身馬、サプライズパワー、アトミックサンダー、オリオンザサンクス、ヒノデラスタ、さらにビービートルネード…。過去10年中、5頭優勝の事実は、南関ファンとして改めてため息が出てしまう。優勝馬のキャリア9.3戦、同2着馬8.5戦。使い込まれてきた道営出身馬が数字を押し上げている。逃げた馬=7、2、1、10、3、16、1、1、8、3着。展開云々より、能力重視でいいだろう。

◎フリオーソ
(内田博・56)
○トップサバトン
(御神本・56)
▲アンパサンド
(戸崎・56)
△レッドドラゴン
(坂井・56)
△ウエスタンローレル
(山田信・56)
△アートルマン
(石崎隆・56)
△ロイヤルボス
(的場文・56)
チェレブラーレ
(張田・56)
ブライダルへイロー
(早見・56)
グローリーソング
(石崎駿・56)

 妙な話、競馬を“利殖”と割り切れば、上位3頭、その“3連複馬券”がいくらつくか、そういう観点があっておかしくない。羽田盃1〜3着の力関係、ここでどう動くかを考えるより、目をつぶってギャンブルに出る決断もあるということ(記者の推定オッズ=3.1倍)。さておきフリオーソ◎。馬の器、潜在能力を、ごく素直に評価した。昨暮れGI「2歳優駿」圧勝。当時トップサバトンはもちろん、JRA?1とされたトロピカルライトを問題にしていない。そのトロピカルが、2週前古馬OP特別で、トウショウギアの2着に粘った。07年、3歳ダート路線は全国ハイレベルで燃えると思う。フリオーソはその“旗手”になるべき存在。前走羽田盃3着も、初コースを含め胸を張れる内容だった。

 トップサバトンは、記者のイメージをいうならコンサートボーイに似ている。いったん闘志に火がつけば、流れ、ペースなど委細構わずブンと行く。強引、力任せの競馬をしながら最後もう一度伸びるパワーとしぶとさ。京浜→羽田盃を連勝した道営出身馬。一連データからも有利な状況がそろっている。一方アンパサンドは、この2頭を前にみて、一瞬の脚を生かしたい。豪快さ、大物感は譲っても、京浜盃1/2馬身を、羽田盃で現実に頭差と詰めてきた。戸崎J、2度目の騎乗。自分のフォームを崩さなければ十分チャンスも巡ってくる。京浜盃の着差(0.1秒)からはまだ無視できないレッドドラゴンだが、新鮮味が薄れたのはやはり事実。あえて一角崩しなら、「東京湾C」快勝ウエスタンローレルか。おそらく生粋のステイヤー。先週東京「ユニコーンS」を制したロングプライドと同じ父サクラローレルという点にも面白さがある。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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