関東オークス(6月13日 川崎 サラ3歳牝馬 定量54kg JpnII 2100m)
「関東オークス」は、00年から交流Gへ移行。一昨年テンセイフジ、昨年チャームアスリープと南関東馬が連勝したが、トータルするとやはりJRA断然優勢で流れてきた。JRA=5勝、2着5、3着4、川崎=1勝、2着2、3着1、船橋=1勝、3着2。JRA馬が1〜3着独占の年も2度ある。1番人気[2-3-0-2]、2番人気[1-1-1-4]、3番人気[1-2-2-2]。人気馬→伏兵という組み合わせが多く、極端な低配当もないかわり、大波乱にもなりにくい。
人気馬の凡走。最も目立つケースは、ダート良績(経験)のないJRA馬。05年ライラプス、06年シェルズレイなどが典型で、仮に芝重賞実績があっても、このパターンは信頼度がきわめて薄い。逆に00年プリエミネンス、03年レマーズガールなど、ここを契機に“砂の女傑”へ転進していく馬も多く出ている。浦和桜花賞馬は、不、5、3、11、12、11、1着、東京プリンセス賞馬は、不、5、5、2、8、1、1着。連動はなかなか難しい傾向で、その意味からも前述テンセイフジ、チャームアスリープは快挙といえる。逃げた馬…4、4、14、11、3、11、10着と不振。勝ち馬は中団から捲り上げるパターンが多い。
◎ホワイトメロディー
(安藤勝・54)
○ピュアーフレーム
(内田博・54)
▲アゲヒバリ
(武豊・54)
△シーホアン
(左海・54)
△ケアレスウィスパー
(岩田・54)
△アルヴィス
(川田・54)
△パラダイスフラワー
(小林俊・54)
マルノマンハッタン
(石崎隆・54)
パチョリ
(今野忠・54)
ホットファッション
(吉田豊・54)
プリンセス賞馬アグネスターフが回避(捻挫)。JRAホワイトメロディーvs南関東上昇馬…の図式となった。ホワイトメロディーはデビューからダート3戦2勝のクロフネ産駒。3戦とも出遅れながら力任せに追い上げるレースぶりで、相当なスケールを感じさせる。芝スイートピーS(16着)をはさみ、前走牡馬相手の「昇竜S=中京ダ1700m」挑戦。結果3着ながら、当時ヤマカツブライアン(兵庫チャンピオンシップ2着)を堂々2馬身押さえている。距離延長、左回りとも不安なく、超スローが定番の関東オークスなら、前半少々ロスがあっても難なく巻き返すイメージだろう。世代レベルを考慮すると、古馬を含めた女王になる日も案外近いかもしれない。他3頭のJRA勢ではケアレスウィスパー。ダート2勝とも1400mだが、前2走、端午S、昇竜Sと5、6着、オープンへのメドはすでについた。フジキセキ×ノーザンテーストの血統背景から成長力も当然見込める。角居厩舎アルヴィスは短距離限定の現状で、初コース2100mをどうこなすか。ダート未経験ホットファッションは芝重賞の常連でも不安の方が大きい。
プリンセス賞2〜4着、シーホアン→ピュアーフレーム→アゲヒバリの序列は、今回微妙に入れ替わると考えた。当時ダッシュひと息、結果脚を計るような競馬になったピュアーフレーム最上位。JRAダート1800m2勝、内1つは大差勝ち。距離延長でむしろのびのび走れるか。アゲヒバリも当時致命的な出遅れ。メンバー中最速の上がり37.7秒なら負けて強しというべきだろう。クロフネ×トゥザヴィクトリー。いずれにせよ真価発揮はこれからだ。シーホアンは完成度の高いレース巧者だが、ここ一番のパンチ力でやや見劣る。桜花賞を鞍上のファインプレーで制したマルノマンハッタンは、プリンセス11着で大きく後退。同様にパチョリも2100mで昇り目が描けない。穴は岩手8勝、前走1900mまで克服しているパラダイスフラワー。昨暮れ「全日本2歳優駿」遠征時より明らかにパワーアップしている。