京成盃グランドマイラーズ(6月19日 船橋 サラ3歳以上 別定 SIII 1600m)
今年から施行時季が大きく変わった「グランドマイラーズ」だが(例年11月下旬)、交流Gの狭間、スピード優先の“SIII”という位置付けは変わらない。過去9回、1番人気[4-1-0-4]、2番人気[4-1-1-3]、3番人気[0-2-2-5]。総じて人気馬が強く、98年サプライズパワー、99年アローセプテンバー、03年エスプリシーズなど、4〜5歳“壮年の実力派”が出走していれば、その信頼度はきわめて高い。今年の場合、実績断然ナイキアディライトがすでに7歳。微妙な状況といえるだろう。
所属別では、船橋=7勝、2着8と絶対に近く、以下、大井=1勝、2着1、川崎=1勝。牝馬は[2-2-0-11]、アベレージこそ高くないものの、00年、ユニティステージ→レディブライティアのワンツーがある。逃げた馬=1、5、2、2、5、3、7、2、9着。一気に押し切ったのはキクノウイン(第1回を大差勝ち)だけで、当時軽い馬場を一人旅。直線あと1F、案外甘くなるケースが目立つ。
◎ブルーローレンス
(的場文・56)
○ナイキアディライト
(内田博・57)
▲チョウサンタイガー
(石崎駿・56)
△グリンセレブ
(戸崎・54)
△ジルハー
(町田・56)
△コアレスタイム
(山田信・56)
△サンキョウチャイナ
(坂井・54)
メーンエベンター
(酒井・53)
トロットテイオー
(水野・54)
ベルモントソレイユ
(石崎隆・56)
イシノダンシング
(左海・56)
ナイキアディライトの実績断然は論を待たない。4歳時かしわ記念を勝ち、続く帝王賞、アドマイヤドンの鼻差2着。その年と翌年、日本テレビ盃でアジュディミツオーに2度に渡り先着している。ただ5歳を迎えてからの歩みはもう一歩で、報知グランプリC、埼玉新聞杯、G3(現SIII)2重賞を制したものの、東京大賞典、マイルGPなど、一つレベルが上がると意外なほどのモロさを出す。これといった同型不在、ごく自然に考えれば再び完全燃焼だが、自身“緩やかな下降線”も否めない。ひとまず対抗の評価。これを負かせる馬――を考えた。
ブルーローレンスに注目する。昨暮れいったん東海トレード、名古屋、笠松を5戦9、5、2、4、2、3着、結局未勝利のまま再転入した。しかし大半が守備範囲を超える1900mを走らされ折り合いひと息。それでも最終戦「オグリキャップ記念」など首・鼻差の3着だから、自身いいリズムは戻っている。1400m〜1600mのオープン4勝(重賞2勝)、さらにさきたま杯GIII首差2着。的場文J鞍上の調教試験も馬なりで実戦並みの時計が出た。南関東[13-1-0-6]。一貫大事に使われ、むしろ今後が円熟期とも推測できる。
以下、伏兵は一長一短。アディライトの逃げはおそらくスローで、そうなると捲りのきくチョウサンタイガーに今回大駆けが浮かんでくる。同様にグリンセレブも3〜4コーナーから動くイメージ。こちらは絶好調・戸崎騎手にも魅力が大きい。コアレスタイムは本質的に短距離ベストで、大井サンキョウチャイナは左回りと輸送に不安。それなら人気の落ちたジルハー、イシノダンシングも適条件だけに狙いは立つ。馬単、ブルーローレンス⇔アディライトに絞るか、あるいは伏兵まで振り回すか。当日の気配もしっかりと見たい。