帝王賞(6月27日 大井 サラ4歳以上 定量 JpnI 2000m)
昨年、アジュディミツオー=カネヒキリ、見事な一騎打ちが演じられた「帝王賞」。しかし、“実績通り”“風評通り”収まることは案外少ない。過去10年、1番人気[3-1-2-4]、2番人気[3-1-0-6]の数字こそ悪くないが、馬単2万円を超す大波乱が2度あり、平均配当7620円。00年メイセイオペラ、03年ゴールドアリュール、一本かぶりの本命馬が、それぞれ14、11着と大敗した。01年ファストフレンド(11着)、02年トーシンブリザード(8着)などのケースも含め、敗因はおおむね“体調”と推測できる。
所属別では、JRA=4勝、2着6、船橋=4勝、2着3…とほぼ互角。地元大井は97年コンサートボーイを最後に勝ち馬がなく、他地区馬の優勝も99年メイセイオペラ(岩手)以来途絶えている。直前TRといえる「大井記念」勝ち馬は、2、9、5、11、6、13、1、8、6、8着。アブクマポーロ、ネームヴァリューだけの連対で、例年皆勤のわりに結果が出ない。牝馬は[2-0-0-4]。03年ネームヴァリューの他に、00年のファストフレンドが制している。逃げた馬=3、3、5、15、13、6、1、2、3、1着。昨年ミツオーを別格に考えると、ネームヴァリューだけが快勝。データ的には、あらゆる面で同馬が異彩を放っている。
◎ブルーコンコルド
(57・幸)
○ボンネビルレコード
(57・的場文)
▲シーキングザダイヤ
(57・武豊)
△サンライズバッカス
(57・安藤勝)
△フジノウェーブ
(57・御神本)
△クーリンガー
(57・和田竜)
△マズルブラスト
(57・張田)
アウスレーゼ
(55・真島)
トーセンジョウオー
(55・内田博)
シーチャリオット
(57・戸崎)
チャンストウライ
(57・下原)
ミツアキタービン
(57・東川)
ブルーコンコルドを信頼した。交流ダートG6勝目となった前走「かしわ記念」。幸騎手は道中イン4番手、前に壁を作るようなレースを試み、直線もあえて馬混みに入れぎりぎり仕掛けを我慢した。最後グイと伸びてアジュディミツオー(今回右前球節炎で回避)に1.1/2馬身差。なるほど地味な勝ちっぷりだが、逆にいえばこれこそ円熟。無駄な力を使わない、勝利に徹する、チャンピオンホースの完成という印象もある。昨暮れ「東京大賞典」、大外強襲の圧勝劇(4馬身差)はむろん記憶に新しい。決め脚断然。ごく普通に流れに乗れればまず単不動と考えたい。
相手探し。ボンネビルレコードを本線にとる。今季「金盃」快勝後JRAへ電撃トレード。その経緯、事情はさておき、馬自身きわめて順調なステップを踏み、今回絶好のチャンス(補欠出走)を得た。昨秋「JBCクラシック3着、続く大賞典も結果6着ながら、上がり3Fはコンコルドに次ぐ数字だった。手の合う的場文騎手に任せたあたりも、英断、心意気ととれるだろう。サンライズバッカスは前走かしわ記念で何ともちぐはぐな競馬をした。スタート前ジョッキー落馬などさまざまリズムも悪かったが、折り合いとスタミナに不安残し。地方実績、安定性でシーキングザダイヤを上にみた。フジノウェーブは距離2000mをどうこなすか。大井記念快勝マズルブラストはここで改めて試金石。いわゆる“3着候補”なら、園田の成長株チャンストウライ、無欲の直線勝負アウスレーゼに、むしろ馬券的妙味を感じる。