ジャパンダートダービー(7月11日 大井 サラ3歳 定量56kg JpnI 2000m)
「ジャパンダートダービー」は、99年から春季3歳(旧4歳)GIとして創設(96〜98年はスーパーダートダービーの名称で秋季に実施)。以後8年間、おおむね“総決算”にふさわしい結果が出ている。1番人気[4-1-0-3]、2番人気[2-0-1-5]、3番人気[1-2-2-3]。ただ、04年1番人気アグネスデジタルの大敗など、予測の難しいシーンもしばしばあり、このあたりは大井コースの特殊性というべきだろう。JRA=6勝、2着4回、大井=1勝、2着2回、船橋=1勝、2着2回。JRA優勢は否めず、地方側の勝利は、99年オリオンザサンクス、01年トーシンブリザード。ともにその時点で全国レベル、断然の実績を作っていた。
JRA「ユニコーンS」勝ち馬はやはり強く(春季移行後)、ユートピア・2着、カネヒキリ・1着、ナイキアースワーク・4着。対して南関勢は、羽田盃馬=1、2、1、3、3、5、9着、東京ダービー馬=1、1、3、4着。総じて実績と勢いが信頼できる。他地区所属馬は[0-0-2-18]。00年タキノスペシャル(北海道)、05年オウシュウクラウン(岩手)、それぞれ3着の健闘にとどまっている。逃げた馬=1、2、1、1、3、4、8、9着。トーシンブリザードのように自らレースを作るケースもあるが、近年は差し馬同士の決着が案外多い。JRAダート未勝利馬の挑戦は一例だけ。05年コンゴウリキシオー7着。今季マイラーズCレコード勝ち、安田記念・2着の大ブレイクを思うと、何やらさまざま興味深い。
◎フリオーソ
(56・今野)
○ロングプライド
(56・武豊)
▲アンパサンド
(56・戸崎)
△トップサバトン
(56・石崎駿)
△ディオスクロイ
(56・後藤)
△マイネルアワグラス
(56・柴田善)
△ジェイドロボス
(56・山田信)
キングスデライト
(56・内田博)
ブルータブー
(56・服部茂)
マルヨフェニックス
(56・尾島)
ユキノアラシ
(56・田中学)
ロングプライドVS南関東3強。力関係、予想のテーマははっきりしている。◎フリオーソは、いうまでもなく贔屓が入る。ただしかし、その南関3強で今季力を出し切っていない同馬が、今回馬券的にも妙味とみた。羽田盃・3着、東京ダービー・2着。競り負けた事実は確かに重いが、自身経験の浅い右回りで試行錯誤のレースぶり。先行して粘れず、差して届かず。逆にいえば、ここは心機一転、鞍上・今野騎手、いわば白紙状態で絶対能力を引き出す可能性もある。遡って昨年暮れの「全日本2歳優駿」は、4コーナー先頭、他をまるで寄せつけない圧勝劇。当時アンパサンドを2馬身、トップサバトンを5馬身ちぎった。大井コース3度目。フィーリングが合ってくれば“3度目の正直”も十分浮かぶ。
ロングプライドは、「ユニコーンS」がとにかくズバ抜けた強さだった。理想的な形で抜け出したフェラーリピサ(兵庫チャンピオンシップ勝ち)を大外一気。1600m・1分36秒9も古馬1600万レベルで、一昨年カネヒキリ級のスケールを感じさせる。砂質の違う大井コース、少々窮屈な最内枠(1番)をどう乗るか。JRA=南関東レベルも、ここで再び明らかになるだろう。勢い、充実度を素直にとればアンパサンド、五分に出てパワー発揮ならトップサバトン。JRA2勝馬ディオスクロイ、マイネルアワグラスも、前者フォーティナイナー、後者ブライアンズタイム、馬力型の血筋に魅力はある。3連単、3連複の大穴にジェイドロボス。自在脚質、豊富なキャリア、紛れがあればこういうタイプか。