黒潮盃(8月15日 サラ3歳 別定 地方競馬交流 SII 1800m)
99年から、盛夏・8月へ時季を移した「黒潮盃」(かつてはクラシック直前TRとして4月に実施)。さらに03年からは“地方競馬交流”へと条件が変更された。地方所属3歳馬、総決算の意味も少なからずあるだろう。優勝馬にはダービーグランプリ(9月17日・盛岡2000m)の優先出走権が与えられる。
99年から8年間のデータ。1番人気[2-3-2-1]、2番人気[3-1-0-4]、3番人気[1-0-1-6]。1〜2番人気の数字はまずまずだが、堅いかというとそうでもなく、馬単平均配当8300円(万馬券3度)。04年アジュディミツオー失速(3着)など、意外な落とし穴が隠れている。所属別では、大井=5勝、2着5、船橋=2勝、2着3、川崎=1勝。こちらは出走頭数にほぼ比例した結果だろう。例年、クラシック上位組VS上昇馬の図式になり、三冠レース未出走馬が4勝、2着3頭。配当を含めれば上昇馬狙いが妙味かもしれない。他地区馬は[0-0-0-8]。昨年園田No.1ウインドファンタジが的場文J騎乗で13着など、案外結果が出ていない。逃げた馬=1、1、12、14、1、4、6、9着。両極端だが、99年エビスジャパン、03年ジョイフルハヤテを筆頭に、人気薄の好走が多いことは特筆できる。
◎ロイヤルボス
(56・的場文)
○ジェイドロボス
(56・石崎駿)
▲ソーニャドール
(56・左海)
△イチモンジ
(56・石崎隆)
△クールヴォイス
(56・今野)
△パルパディア
(56・町田)
△チェレブラーレ
(56・張田)
マルヨフェニックス
(57・尾島)
トミノダンディ
(56・安部)
ニシキコンコルド
(57・吉田稔)
ベルモントオメガ
(56・内田博)
ロイヤルボスは東京ダービー3着。大出遅れのトップサバトンはともかく、アンパサンド、フリオーソの一騎打ちにきわどく迫った。当時テン乗り的場文Jで4コーナー先頭の正攻法。希代ハイレベルの中、この内容は絶大な評価ができる。楽しみな上昇馬はそろったが、こと地力と格は1頭別次元の評価だろう。JDダービー回避は、川崎→大井(小林・三坂厩舎)とトレードがあったため。力走続きの蓄積疲労、かつてアジュディミツオー失速を思えば、むしろいい充電と考えられる。この相手に56kgは何とも有利。
相手探し。ジェイドロボスはそのJDダービー8着。勝ち負けには遠いものの、2000m2分05秒8、終いしっかり伸びて収穫のある競馬だった。ロイヤルボスと同じアメリカンボス産駒。この血筋は一見地味で、しかし打たれ強い精神面の強さに特徴がある(記者のイメージ)。ソーニャドールはクラシック未出走だが、大井1800mすでに2勝。とりわけ前走1分53秒7、絶好調の古馬ウエノマルタロベエを完封した内容が光った。以下、先行馬をとれば、前走盛岡芝でいい経験を積んできたイチモンジ、ダーレーの成長株クールヴォイス。逆に差し競馬とみれば、パルパディア、チェレブラーレ。ロイヤルボス以外、人気の読めない顔ぶれで、馬券は当日のオッズと気配を加味して配分したい。