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黒潮盃・回顧

  • 2007年08月20日(月) 23時49分
 黒潮盃(8月15日 大井 サラ3歳 別定 SII 1800m良)

(1)マルヨフェニックス 1分53秒0
○(2)ジェイドロボス 3.1/2
△(3)チェレブラーレ 1.1/2
◎(4)ロイヤルボス 1.1/2
(5)トミノダンディ 1/2
……………………
△(6)パルパディア
△(7)イチモンジ
(8)ベルモントオメガ
▲(14)ソーニャドール

単5220円
馬複21360円
馬単61860円
3連複71600円
3連単587430円

 笠松・マルヨフェニックスの圧勝だった。好スタートを切った2頭、内からベルモントオメガ、イチモンジの並びで折り合い、1000m通過62.9秒、淡々とした平均ペース。マルヨフェニックスは、その3番手、馬場の外めを持ったまま進んでいく。道中大きな動きもなく、そのまま直線、ヨーイドンの決め手勝負。正直フェニックスの伸び脚は目を見張るばかりだった(筆者無印)。上がり37.5秒。あと1F、前を一瞬のうちに抜き去り、最後まで余裕たっぷり。「ずいぶん(手応えが)楽だなぁとは思いましたが、前走負けているので(ジャパンダートダービー・12着)半信半疑。走りました。自分のイメージ以上に力があった」(尾島徹騎手)。1800m=1分53秒0は、一昨年ボンネビルレコードに次ぐ快時計。フロックなどでは全くない。

 マルヨフェニックスはこれで通算6勝目。笠松、園田、名古屋(東海ダービー)を合わせ重賞4勝の快挙となった。「イレ込みのきつい馬で期待と不安が半々でした。この勝ちっぷりは正直びっくり。ただ輸送してプラス3kg、夏場に強いのは確かでしょう」(柴田高志調教師)。関係者総じて“嬉しい誤算”のニュアンスで、しかし、その内容は正真正銘の横綱相撲。レースぶり、時計を含め、ケチをつける部分が一切ない。結局馬自身、マキシマムの能力は相当高いと見るべきだろう。父エイシンサンディは、ミツアキサイレンス(佐賀記念など統一G・4勝)以来の大物輩出。サンデーサイレンス系、その懐の深さを改めて実証した。次走は岩手「ダービーグランプリ」(9月17日・盛岡2000m)。心身ともいい状態で臨めれば、強敵相手でも期待できる。

 人気のロイヤルボス(単勝1.6倍)は、スタートで大きく躓き、3馬身ほどの不利があった。向正面からじりじり追い上げたものの、最後そのロスが響いている。勝ち馬が走っただけに微妙だが、ごく自然体のレースなら2着は確保できただろう。10kg増、馬体の張り、気合なども今ひとつ。ひとまず力の片鱗は示している。中団から一気に伸びたジェイドロボス、一緒に動いたチェレブラーレが2、3着。ともに好調だが、重賞を勝ち切るにはもうワンパンチ不足という結果だろう。末一手パルパディアは先行馬ペースで打つ手なし。逆にイチモンジ、ベルモントオメガは、この展開で失速はいただけない。ソーニャドールもどうしたことか。追走に戸惑い4角殿り。流れにさっぱり乗れなかった。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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