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埼玉新聞杯・回顧

  • 2007年10月22日(月) 23時49分
 埼玉新聞杯(10月17日 サラ3歳以上 別定 SIII 1900m良)

▲(1)トーセンジョウオー 2分00秒8
◎(2)コアレスデジタル 4
○(3)サウンドサンデー 4
△(4)チョウサンタイガー 5
(5)ケイアイグレード 3/4
……………………
△(6)キョウエイアオバ
△(7)マルカカイゼル
(10)サンキューウィン

単210円
馬複530円
馬単840円
3連複450円
3連単1830円

 トーセンジョウオーが圧勝した。好スタート。隣枠サンキューウィンの出方をうかがい、相手が突っ張ると見るや2番手でスッと折り合う。1000m通過63.0秒のスロー。余裕の手応えは当然で、マークするというより相手を“ただの先導役”に使ってしまった。3角、早々と失速するサンキューをあっさり交わし、内田博Jは手綱をがっちり絞っている。追い上げてきたサウンドサンデー、コアレスデジタルをいったんすぐ後ろまで引きつけ、直線中ほど、おもむろにGOサインを出した。あっという間の4馬身差。終わってみればはっきり能力が違っていた。

 トーセンジョウオーはこれで重賞6勝目。牡馬相手のタイトルは初めてだが、今期エンプレス杯→マリーンCと交流G連破、正真正銘、女傑のポジションを確定させている。別定56kg、例えばマルカカイゼルあたりが58kgだから、今回いかにも条件に恵まれた。馬体がすっきり絞れ(前走比4kg減)再び調子を上げてきたこと。同型の羽田盃馬サンキューウィンに依然いいリズムが戻らないこと。自身モヤモヤをふっ切るお膳立てが整っていたとしかいいようがない。「道中2番手は想定内。ほとんど追わずに勝てました。状態も上がっていたし、今日は力通りの競馬でしょう」(内田博J)。次走は10月31日、大井JBCデーに組まれた「TCKディスタフ=1800m」、あるいはひと息入れて12月5日船橋「クイーン賞=1800m」。改めて、ベルモントノーヴァ、パフィオペディラムへの雪辱戦となる。

 期待したコアレスデジタルは、前走(日本テレビ盃)同様スタートがまずかった。道中うまく内に入れあわやの瞬発力はみせたものの、対トーセン、58=56kgではここまでが精いっぱい。それでも危なげない2着だから持ち味は出し切っている。逆にサウンドサンデーは、勝ち馬を負かしにいく役割りを演じ、コアレスに逆転された。4馬身、4馬身、それほどの能力差はないとしても、まだ線の細い部分が残っているか。チョウサンタイガーは元より決定打に乏しいタイプ。自身絶好調でないと実績上位馬に太刀打ちできない。5着ケイアイグレードは健闘だが、長期休養が何度もある7歳馬。叩いて上積みとなると微妙だろう。サンキューウィンの凋落はどうしたことか。あまりに無抵抗な大敗で、たぶん体調というより気迫(精神力)の問題。なぜこれほどまで競走意欲が減退したか。無責任ながら、それこそ馬に聞きたいような話ではある。

※重賞の格付けは、新表記を使用しております。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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