ハイセイコー記念(11月28日 サラ2歳 定量 SII 1600m)
今年で40回目を迎える「ハイセイコー記念」。01年、従来の「青雲賞」から、TCK・元祖スーパースターを冠しタイトルが変更された。青雲賞時代、その第5回目(昭和47年)をハイセイコーが勝ち、以後も、スティード、ホスピタリティ、ジョージタイセイなど、幾多の名馬を輩出、南関東限定戦ながら2歳登竜門として大きな存在感を持ってきた。ただしかし、近年レベルダウンは著しく、勝ち馬が翌春クラシックを制した例は、97年ゴールドヘッド(羽田盃)以来途絶えている。生え抜き馬の水準低下、道営を筆頭とする転入馬の大攻勢。正直軽いレースになった感は否めない。
97年からのデータ。1番人気[3-3-0-4]、2番人気[2-3-1-4]、3番人気[2-1-2-5]。人気どころのアベレージはまずまずで、昨年などロイヤルボス→ザマローレル→レッドドラゴン、人気順ワンツースリーの結果だった。が、順当か大波乱か両極端。99年トミケンブライト、04年エスプリフェザント、単オッズ1倍台があっけなく敗れ、前者99年は、イチコウキャプテン(9人気)→グットウェイ(10人気)、馬単110380円をつけている。所属別は、大井9勝、2着5回と断然だが、これは出走頭数の差が大きいだろう(昨年は川崎→川崎)。前哨戦「ゴールドジュニアー」勝ち馬は、1、5、不、1、7、2、6、8、2、1着と半信半疑。もう一つ、大井1600m(内回り)は、2歳馬にとってある意味トリッキーなようで、おおむね初コースの馬が苦戦する。牝馬は99年ミキノファンタジー3着が最高の[0-0-1-11]。逃げた馬=1、6、3、7、1、2、6、3、1、5着。展開によるアドバンテージは案外少ない。
◎ランパンテ
(54・戸崎)
○コラボスフィーダ
(54・左海)
▲ニックバニヤン
(54・的場文)
△ヴァイタルシーズ
(54・酒井)
△ジェイドファスト
(54・内田博)
△カクテルラウンジ
(53・今野)
△ポーカーアリス
(53・山口竜)
レッドフェンリル
(54・坂井)
ユキガフル
(54・水野)
グレートイースタン
(54・御神本)
例年のデータ、傾向はひとまず置いて、ここ一番ランパンテの素質を買う。川崎デビュー2連勝。持久力の必要な1400→1500mだけに価値があり、それも前走はゴール際キャリア豊富な相手に並ばれ、そこから驚くべきガッツで差し返している。1500m1分35秒9も、「鎌倉記念・ヴァイタルシーズ=35秒1」と較べ遜色なし。父アジュディケーティング、半兄メルクリオス(川崎15勝・A級)という良血で、510kg台の馬体にも大物感が漂う。中間あえて大井へ運んだ追い切りなど万全のステップ。鞍上は南関東ジョッキー界、今最も乗れていると思える戸崎騎手だ。
船橋コラボスフィーダも器は大きい。父ユートカイザー(東京ダービー2着)、パワフルな馬体と走法。新馬戦圧勝後、2戦目の前走は先を見据えた待機策で後続を10馬身ちぎっている。中間3か月のブランク。少々急仕上げを懸念して割り引いたが、仮にあっさりなら来春クラシック、その主役にも抜擢できる。鎌倉記念馬ヴァイタルシーズはゲート難があり、ハナを切れないケースで少々不安。ゴールドジュニアーを含む大井3戦3勝ニックバニヤンは、ここでレベルが問われるだろう。北海道4勝、前走GIII・5着ジェイドファストも、ディラクエに10馬身近く離された比較からは楽観できないと考える。いずれにせよ上位拮抗、人気の読みづらい組み合わせ(記者予測では僅差でニックバニヤン1番人気?)。当日の気配も考慮して手広くいく。
※重賞の格付けは、新表記を使用しております。