TCK女王盃(1月16日 大井 サラ4歳以上牝馬 別定 JpnIII 1800m)
98年から新設された牝馬統一G。過去10年間のデータがそろってきた。1番人気[4-3-1-2]、2番人気[3-2-0-5]、3番人気[2-1-2-5]。いわゆる上位拮抗、堅めの傾向で推移している。4番人気以下の勝ち馬は、唯一、初年度の10年トミケンクイン(7番人気)。馬単最高配当も、その年、2着エフテーサッチ(5番人気)とのワンツーで、17350円だった。
所属別は、JRA=6勝、2着5、船橋=2勝、2着2。以下、笠松、宇都宮、各1勝。そして浦和、笠松、大井から2着馬が1頭ずつ出ている。前述したトミケンクインは笠松所属。以後しばらく地方勢が気を吐いたが、近年はおおむねJRA勢の上位独占。南関東生え抜きの優勝馬は、00年ヤマノリアルだけといささか寂しい。
他のダートGに較べ、地方競馬場初登場のケースが目立ち、トータル[2-0-0-12]だから微妙な数字か。99年ケープリズバーン、07年サウンドザビーチは快勝したが、99年ランフォザドリーム、00年ブゼンキャンドルなどは、人気を集めながら馬群に沈んだ。キーワードはやはり“パワー”になるだろう。逃げた馬=2、10、14、1、14、2、11、6、1、4着。押し切ったのは01年ベラミロード、06年グラッブユアハート。自身“旬”でないと、目標になるぶんむしろ苦しい。
◎デアリングハート
(57・藤田)
○ペディクラリス
(54・武豊)
▲サヨウナラ
(54・岩田)
△ラピッドオレンジ
(54・内田博)
△ケアレスウィスパー
(53・福永祐)
△ベルモントノーヴァ
(54・石崎駿)
△アウスレーゼ
(54・真島)
チャームアスリープ
(54・繁田)
クインオブクイン
(53・濱口)
グリンセレブ
(53・御神本)
マルヨスーパーラブ
(53・尾島)
通常、自然と“地方びいき”になってしまう記者だが、今回は各馬ともあまりいいイメージが浮かんでこない。実績上位アウスレーゼは、帝王賞(9着)以来7か月ぶり。昨年ブレイクしたベルモントノーヴァも力走続きの反動が気がかりで、元よりこの2頭は、マイルでこそ切れるタイプだ。
デアリングハートの能力を素直に買う。前走船橋「クイーン賞」は初ダート。ホワイトメロディー、メイショウバトラー、先着2頭をスペシャリストと思えば立派な結果。当時フルゲート14頭の大外枠、ごく自然流に先行策がとれたあたり、芝向き…を返上させるだけの重みがあった。重賞3勝、GIで再三好勝負(桜花賞3着など)を演じた底力。57kgは細身だけにハンデだが、今回半信半疑の人気なら、むしろ妙味と判断する。
ペディクラリスは補欠出走(メイショウバトラー・別定61kgで回避)ながら、昨年このレース5着。致命的な出遅れを上がり37.5秒で巻き返した。前走中山1800m快勝も、ステップとしては絶好だろう。次いで、本来力馬タイプを思わせるサヨウナラ、早々と内田博Jを確保したラピッドオレンジ。明け4歳ケアレスウィスパーも、関東オークス2着(2.1/2差)、ホワイトメロディーを基準にすれば勝機がある。正直不完全燃焼という気分だが、今回はあえてJRA勢中心の馬券に組み立てた。