ダイオライト記念(3月5日 船橋 サラ4歳以上 定量 JpnII 2400m)
南関東では最長距離の交流G。96年から交流移行、その初年度をホクトベガが勝ち、以後、アブクマポーロ、インテリパワー、カネツフルーヴなど、おおむね時の横綱級が制してきた。一昨年はヴァーミリアン優勝(2着に6馬身差)。浦和記念に続く交流G2勝目をあげ、同馬の出世レースにもなっている。
過去10年、1番人気[5-3-0-2]、2番人気[1-3-2-4]、3番人気[3-2-2-3]。実績上位馬が圧倒的に強く、10年中、6度まで馬単1000円以内に収まっている。最高配当は、02年、インテリパワー→ハギノハイグレイドの5100円。当時1番人気、フェブラリーS帰り(2着)のトーシンブリザードが5着に敗れ、唯一波乱らしい波乱だった。
所属別は、JRA=6勝、2着8、船橋=3勝、川崎=2着2。過去4年に限れば明け4歳馬の優勝だが、本来経験が必要な長距離戦で、歴史をさらに遡ると高齢馬も活躍している。他地区馬は04年ミツアキタービンが勝っただけの[1-0-0-13]。それでも道中ゆったり流れるぶん、善戦しやすい条件ではあるだろう。逃げた馬=5、2、1、5、10、1、4、4、2、4着。馬場が渋ると分がよくなり、03年カネツフルーヴが2分29秒6の大レコードを記録している。
◎アジュディミツオー
(56・佐藤太)
○フリオーソ
(55・戸崎)
▲ボンネビルレコード
(56・的場文)
△マコトスパルビエロ
(55・安藤勝)
△サカラート
(56・後藤)
△シャドウゲイト
(56・藤田)
△トップサバトン
(55・坂井)
ミツアキタービン
(56・東川)
マズルブラスト
(56・今野)
アジュディミツオーの復活に期待した。きわめて濃密なGI・5勝。前馬未踏の東京大賞典連覇、カネヒキリをレコードで退けた帝王賞。まさしくミラクルホースとしか言葉がなく、その実績、絶対能力は、現時点のフリオーソと、まだまだ一線を画している。問題は、昨年5月かしわ記念(2着)以来10か月のブランク。それでも、持ったまま1500m1分37秒3の調教試験からは9分通りの仕上がりで、当日552kgの馬体にも同馬らしい迫力と凄みがあった。元よりダッシュ、機敏さより、パワーが勝った先行型。道中極端にカカらない限り、距離自体はこなすだろう。今回、佐藤裕太Jを配したが、気心の知れた調教パートナーとは周知の事実。川島正行調教師、けっして温情ではなく、馬を気分よく走らせたい…そうイメージした決断と考える。
対して4歳フリオーソ。ジャパンダートダービー2分02秒9完勝はもちろん立派で、JBCクラシック、大賞典、ヴァーミリアンの2着確保も、資質の高さを雄弁に物語る。ただし、前走川崎記念はフィールドルージュに早めに来られ、そこから案外無抵抗でレースが終わった。鋭さと爆発力、さらに競り合っての勝負根性に課題残し。ミツオー=フリオーソ、同厩舎だけにその兼ね合いがどうなるか。仮にミツオー→フリオーソの並びで流れ、直線ねじ伏せるシーンがあれば、そこで初めて“新王者誕生”が確定する。
JRA勢は、実績上位、長距離適性の高いサカラートが長休明け。となると、若さと上昇度でマコトスパルビエロだが、前走佐賀記念3着完敗からはキャリアの点で心もとない。移籍後、現実に帝王賞を勝ち、遡ってJBCクラシック3着もあるボンネビルレコードを妙味とみた。シャドウゲイトはダート2戦目、その適性が改めて問われる。前走川崎記念3着はテンから待機策でいかにも試走という内容だった。トップサバトンは、とにかくまともなスタートが切れるかどうか。前走報知グランプリCは再び悪夢。潜在能力はともかく、オープン級で5馬身出遅れていては勝負にならない。04年、このレース圧勝ミツアキタービンには、以後4年の月日が流れた。現在東海オープン級で入着ライン。一変まで難しい。