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マイルグランプリ・展望

  • 2008年04月07日(月) 23時49分
 マイルグランプリ(4月9日 大井 サラ4歳以上 別定 SII 1600m)

 古馬、春のGIロードへ直結するトライアル。その位置付けは南関東代表決定戦といってよく、同距離「かしわ記念・5月5日船橋」はもちろん、2000m「帝王賞・6月25日・大井」へも、明確な力関係として移行する。現実に、マイルグランプリ→かしわ記念→帝王賞、98年アブクマポーロ、06年アジュディミツオーが、見事な3連破を達成した。

 過去10年、1番人気[5-0-3-2]、2番人気[2-2-1-5]、3番人気[2-1-1-6]。総体的に堅めだが、1番人気が勝つときは、なぜか相手が狂う微妙なパターン。例えば、06年ミツオー圧勝(5馬身差・1分37秒2=レコード)時には、13番人気コアレスタイムが2着に食い込み、馬単16630円が出ている。昨年も1人気フジノウェーブが勝ったものの、2着は盲点だったアウスレーゼ(6人気)。馬券の傾向とするとつかみづらい。

 所属別は、船橋=6勝、2着5、大井=3勝、2着5、川崎=1勝。ポーロ、ミツオーは別格としても、01年アローセプテンバー、03年ベルモントアクターなど、船橋個性派の活躍が印象的だ。逆に2着は、地元大井が再三波乱を演出している。馬単最高配当は、00年インテリパワー(川崎)→トウケイメモリーの47370円。当時トウケイメモリーは内枠から徹底先行で粘りに粘った。逃げた馬=2、1、4、2、1、2、2、1、3、11着。傑出馬不在の年は動けるスピード型に注目したい。

◎ナイキアディライト
(56・佐藤博)
○フジノウェーブ
(58・御神本)
▲ベルモントストーム
(56・石崎駿)
△アンパサンド
(58・戸崎)
△トップサバトン
(58・坂井)
△シルヴァーゼット
(56・山崎)
△デスモゾーム
(52・真島)
シーチャリオット
(56・酒井)
コアレスタイム
(56・左海)
ロイヤルボス
(56・張田)

 余談めいた話から入るが、近年最強とされた現4歳世代が風評ほど動けていない。もちろんフリオーソは1頭別格(JBCクラシック・東京大賞典2着、ダイオライト記念勝ち)に達したが、昨春ほぼ互角のライバルとみえたアンパサンド、トップサバトン、さらにロイヤルボスの伸び悩み。結果、南関東オープン馬の層の薄さ、厚みのなさが、重賞レースのたび浮き彫りになってしまう。交流Gへ向けこれでは寂しい。

 ただし現4歳世代、クラシック実績馬より秋以降の成長株、そちらに夢が移ってきたムードもある。例えば、目下6連勝で格下から挑戦するデスモゾーム。持ち時計の比較など常識的には厳しいが、勢いあふれる勝ちっぷりに、あるいは…の期待も浮かぶ。さらにこのレース翌日(10日・木)に組まれた「'08ブリリアントカップ=1800m」も必見カードだ。アートルマン、チェレブラーレ、気鋭の上昇馬が激突。2頭ともそれぞれレースぶりに個性があり、交流G候補としての資質は十分。今回あえて自己条件は、収得賞金上積み、重賞出走権を確保する狙いが大きい。

 さて本題だが、結局ストレートかつシンプルな予想とした。ナイキアディライトはここまで重賞12勝。3歳時2冠は多分に偏差値的な強さとしても、以後、04かしわ記念、05マイルグランプリで最も真髄をみせている。その5歳時マイルグランプリは、レコードに近い1分37秒8、2着を4馬身ちぎる独走劇。なるほど待ったなしの逃げ馬だが、微妙に息が入るマイル戦が本来ベストということだろう。前走東京シティ盃、電撃6Fを逃げて4着なら合格点。今回内枠(14頭2番枠)を引けただけに、初コンビ・佐藤博紀J(地味な中堅ながら腕は確か)も迷いは出ない。思い切りよく先行して時計勝負だ。

 フジノウェーブは昨年の覇者。当時1分39秒3は平凡すぎるが、以後JBCスプリント勝ち、馬自身のグレード、戦力が当時と違う。前走フェブラリーS挑戦も厳しい流れの経験とみれば悪くないステップ。短〜マイラーとしての完成度を評価したい。次いで東京シティ盃で復活したベルモントストームの瞬発力。確かにGIスケールは遠くなったが、逆にいえば適条件を開拓、確定させた感がある。このタイプは石崎隆Jとぴたり手が合う。アンパサンド、トップサバトンは正念場。ここでマイル適性と底力をみせるかどうか。前走惜敗シルヴァーゼットも、再び真価を問われる一戦だ。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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