東京ダービー(6月4日 大井 サラ3歳 定量56kg SI 2000m)
ここ10数年の間、さまざまな変遷を経てきた南関東牡馬クラシック。しかし99年、「ジャパンダートダービー=統一GI」が創設され、ほぼ現在の形に固まった。「羽田盃」→「東京ダービー」→「JDダービー」の3冠ロード(01年までは「東京王冠賞」を含む4冠路線)。距離設定、レース間隔、ごく自然で無理のない条件だけに、この体系はおそらく今後も動くまい。
その99年から9年間のデータをまとめる。1番人気[3-1-2-3]、2番人気[2-2-3-2]、3番人気[2-4-0-3]。いわゆる“上位拮抗”で、1〜3人気が互角の結果を出してきた。馬単最高配当は、06年ビービートルネード→トキノシャンハイ、60990円(1番人気シャイニールック)。押し出されたような人気馬はやはり危険というべきだろう。羽田盃(02年・1800m移行後)優勝馬=3、1、8、1、3、8着、同2着馬=10、2、2、2、8、1着。昨年トップサバトン(大出遅れ)を別にしても、近年はイメージほどアテにできない「東京湾C」勝ち馬からはアジュディミツオー、同「クラウンC」からはキングセイバーといった優勝馬を輩出している。逃げた馬=1、10、3、16、1、1、8、3、15着。優勝馬3頭、オリオンザサンクス、ナイキアディライト、アジュディミツオーと並べれば、先手必勝は通用せず、あくまで力勝負とイメージできる。
◎ディラクエ
(今野・56)
○ゲンキチホマレ
(町田・56)
▲ロイヤルマコトクン
(御神本・56)
△ニックバニヤン
(的場文・56)
△コラボスフィーダ
(左海・56)
△ディアヤマト
(坂井・56)
△ギャンブルオンミー
(内田博・56)
ジャイアンツゲット
(石崎駿・56)
モエレラッキー
張田・56)
ドリームスカイ
(戸崎・56)
ホウザン
(武豊・56)
ディラクエの能力を信頼した。伏兵ニックバニヤンを追い切れなかった羽田盃。正直レース直後は意外だったが、改めてビデオを回し、展開、時計なども勘案すると、どうやらこれこそ人気馬ゆえの乗りにくさ、さらに勝負のアヤと納得できた。典型的な先行馬ペースを3〜4コーナー7番手、しかも終始外々を安全運転で回っている。上がり37.6秒。良馬場1800m、1分52秒8(17年シーチャリオット=53.5秒)なら、むしろ勝ち馬ニックバニヤンをほめるべきか。遡って昨暮れ「全日本2歳優駿」は敗れて強し。前々走「京浜盃」5馬身差圧勝など、他馬が霞む凄みがあった。2000m延長も大きなプラス。本来今野Jは“思い切り”に定評があり、再び流れが緩むようなら自ら動くシーンも浮かぶ。
馬券的には改めて相手探し。1月ニューイヤーCをひと捲りで制した(6馬身差)ゲンキチホマレに食指が動く。羽田盃はぶっつけ初コースの6着。結果試走と思えば十分な内容だった。父ティンバーカントリー、骨太の好馬体。鞍上・町田Jは若手ながら大舞台に強い。ニックバニヤンは、今回少しプレッシャーが加わる立場で(的場文J・東京ダービー初制覇、大井所属馬9年ぶりの勝利など)、羽田盃の再現があるかどうか。ことスピード能力は2冠レベルだが、血統、レースぶりから距離延びてプラスがない。それなら脚質に幅が出てきたロイヤルマコトクン、晩成型らしい充実を示すコラボスフィーダも互角。ディアヤマトは前々を進む競馬で器用さが生きた際か。東京湾C組・ギャンブルオンミー、ジャイアンツゲットが上昇度で迫る。