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関東オークス・展望

  • 2008年06月16日(月) 12時30分
 関東オークス(6月18日 川崎 サラ3歳牝馬 定量54kg JpnII 2100m)

 「関東オークス」は、2000年から交流Gとして新生。当初GIII格、以後06年にGII(JpnII)へ昇格した。今回データは、以後8年間のものをまとめる。

 1番人気[3-3-0-2]、2番人気[1-1-1-5]、3番人気[1-2-2-3]。1番人気は比較的堅く、しかしヒモが狂うという傾向で、結果的に“小波乱”が多く出ている。所属別は、JRA=6勝、2着6回、川崎=1勝、2着2回、船橋=1勝。JRA優勢は数字通りだが、各年レベル差が大きく、05年テンセイフジ(川崎)優勝のケースなど、JRA馬の質、地方ダート適性いかんで、逆転の余地も残されている。桜花賞→東京プリンセス賞→関東オークス…のレース順が確定した前5年をみると、桜花賞馬=11、12、11、1、9着、同2着馬=2、不、7、6、不、プリンセス賞馬=2、8、1、1、不、同2着馬=3、4、12、不、6着。06年3冠馬チャームアスリープは別格として、あえて南関勢を買うならプリンセス賞好走組がセオリーだろう。もう一つ、ダート実績のないJRA勢は割り引きで、05年ライラプス(1人気4着)、コスモマーベラス(2人気10着)、06年シェルズレイ(2人気11着)が象徴的。逃げた馬=4、4、14、11、3、11、10、7着。中団から捲り気味に動くタイプが強く、昨年ホワイトメロディーもそうだった。

◎ユキチャン
(武豊・54)
○プロヴィナージュ
(田中勝・54)
▲カレイジャスミン
(内田博・54)
△トミノプラネット
(酒井・54)
△ブライズメイト
(山田信・54)
△マサノミネルバ
(戸崎・54)
△インカローズ
(的場文・54)
マダムルコント
(松岡・54)
ハタノギャラン
(石崎隆・54)
ミスガイア
(町田・54)

 通常“南関びいき”を信条(?)とする筆者だが、今季牝馬路線に関しては、3歳、古馬を問わず、どうも意気が上がらない。素質面(基礎体力というやつか)に大きなレベル差を感じること。例えばマダムルコントは、昨暮れ「ローレル賞」→「東京2歳優駿牝馬」と重賞連覇。しかしJRAトレード後、桜花賞、スイートピーSとも、何やら当たり前のような大敗だった。筆者自身、不思議とか意外とか思わないことが逆に悔しい。ダート=芝適性、それ以前に同馬の絶対能力を疑問視しているから。一昨年、チャームアスリープの場合など少し違った。ファンも筆者もそれなりの期待感があり、ただ芝はダートほど走れない…そう納得した記憶がある(06年、紫苑S・14着)。

 ユキチャンは、昨年覇者ホワイトメロディーと同じクロフネ産駒。ダート1200m、芝2000mで2勝をあげ、前走フローラS(芝2000=GIII)は4番人気、0.6秒差7着だった。白毛馬、その意味では話題先行だが、レースぶり自体、好位からじわじわ伸びるよさがあり、パワー優先の川崎2100mは条件ベストのイメージが沸く。地方馬に“救世主”が見当たらず、JRA馬の比較と割り切ればほぼノータイムでこれが本命。武豊Jは03年レマーズガールで「関東オークス」制覇、同条件(川崎2100m)「エンプレス杯」「川崎記念」などにも相性がいい。

 JRA勢で実績上位はフローラS・2着カレイジャスミンだが、前述の通り初ダートが鬼門になる。父タヤスツヨシ、前々を動く脚質などこなす感触はあるものの、内田博Jで人気だとあまり食指が動かない。対してプロヴィナージュはデビューから一貫ダート[2-1-1-1]。前走500万を8馬身差圧勝、父フレンチデピュティ、520kg台の馬体にも、勢いと可能性を感じる。地方勢では、プリンセス賞組のプライズメイト、トミノプラネット。馬券的には、ここにきて復調気配、酒井騎手と手が合いそうな後者が魅力か。昨秋GIII「エーデルワイスS」勝ちマサノミネルバは今回ぶっつけ。いきなり左2100mで折り合いが難しい。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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