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帝王賞・展望

  • 2008年06月23日(月) 11時00分
 帝王賞(6月25日 大井 サラ4歳以上 定量57kg JpnI 2000m)

 過去10年のデータ。1番人気[3-2-1-4]、2番人気[3-1-0-6]、3番人
気[0-0-3-7]。記者自身、実は「近年順当…」のイメージを抱いていたが、改めて数字にするとそうでもない。一昨年、アジュディミツオー=カネヒキリ、名勝負(馬複160円)の残像が強く残っていたためか。1番人気勝ち馬は、アブクマポーロ(98年)、メイセイオペラ(99年)、アドマイヤドン(04年)、当然ながら超A級。ただ、そのメイセイオペラは翌00年14着と大敗し、他にファストフレンド、ゴールドアリュール(ともに11着)など、大きな番狂わせも少なくない。馬単最高配当は、03年ネームヴァリュー→ビワシンセイキの21190円。当時人気を背負ったゴールドアリュールは、直後「ぜん鳴症」の診断で引退した。

 帝王賞30年の歴史。一つ不思議なのは「連覇なし」という事実だろう。前年の優勝馬=不、不、14、11、11、不、不、不、4、不、同2着馬=不、不不、6、4、不、不、3、不、不(不は不出走)。勝って卒業(引退)というパターンも少なくないが、それにしても“帝王”の位置、足元とは案外モロい。優勝馬、最高に健闘したのが06年タイムパラドックス(4着)。今年はボンネビルレコードがジンクスに挑戦する。所属別は、JRA=5勝、2着7、船橋=4勝、2着2、他に、岩手1勝、大井2着、それぞれ1度。他地区馬も、岩手メイセイオペラが勝っている以上、力の裏付けさえあれば通用の見方でいい。今年は出走3頭とも脈を感じる。逃げた馬=3、5、15、13、6、1、2、3、1、10着。ネームヴァリュー、アジュディミツオーの優勝はあるものの、善戦までが例年多い。02年カネツフルーヴはイメージを覆す差し切りだった。

◎コウエイノホシ
(坂井・57)
○ルースリンド
(今野・57)
▲ボンネビルレコード
(的場文・57)
△チャンストウライ
(下原・57)
△フリオーソ
(戸崎・57)
△アルドラゴン
(木村健・57)
△ワンダースピード
(小牧・57)
マルヨフェニックス
(尾島・57)
スウィフトカレント
(武豊・57)
ヤマトマリオン
(小林徹・57)
マズルブラスト
(張田・57)

 コウエイノホシの勢いに賭けた。JRA・4勝、1000万ランク。実績自体はGIレベルに少し遠いが、トレード後2連勝、現実にケタ外れの強さをみせている。「グリーンC」→「大井記念」圧勝で帝王賞挑戦は、97年アブクマポーロ(コンサートボーイのクビ差2着)と同パターン。しかも前走大井記念、ルースリンド(東京大賞典4着)を圧倒だからGI通用の根拠は十分できた。道中開き直った後方待機、相手関係なしという大外捲り。同レース直後、坂井英光騎手のコメント「これまで乗った馬で一番強い」にも説得力があった。“核”が見当たらない今年の顔ぶれ。川崎転入、水を得た同馬が一気に頂点へ昇って何ら不思議なことはない。

 核が見当たらない…と書いたが、実績、持ち時計(2分02秒9)からは本来フリオーソの“順番”だった。しかし同馬はダイオライト記念快勝後、脚部不安発生、予定の5月かしわ記念を回避している。直前追い切りも、外厩・ミッドウェイF(坂路)で消化。少なくとも最高峰のGI、それに臨む態勢としては胸が張れない。当日の馬体作りと気配待ち。現時点で予想となると△以上が浮かばなかった。

 生涯最高のデキで挑戦するルースリンド、昨年の覇者、今季それ以上に充実しているボンネビルレコードを相手本線と考えた。前者は昨暮れ大賞典でGIレベルをすでに証明。キャリア、血統、7歳馬ながらまだ上積みが期待できる。後者は的場文Jと抜群の相性を誇り、さらに前走忙しいかと思えたかしわ記念=1600m快勝だから、文句なく今がピークだ。兵庫・チャンストウライ、アルドラゴンも中〜長距離志向の本格派。少し時計がかかればしぶとさで上位が狙える。実績互角ワンダースピードは力の要る馬場を思うと少し割り引き。いい脚一瞬ヤマトマリオン、初ダート・スウィフトカレントも、ここは手探りの戦いか。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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