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外国馬はいっそクジ引きで?

  • 2008年11月24日(月) 23時50分
 ジャパンCといえば外国馬の取捨を楽しみたいところだが、昨今の情勢はそうなっていない。

 ひとつには、日本調教馬が強くなりすぎたということがある。これについてはいくら語っても仕方ないのだが、今年も登録馬を見る限り日本馬の1〜3着独占が濃厚、場合によっては掲示板独占も、という感じだ。

 もうひとつの傾向として、これが今回の本稿の趣旨なのだが、「結果的に好走する馬を見極める方法が存在しない」とでもいう流れになっているように思える。「存在しない」と言い切ってしまうのは問題があるが、20世紀のジャパンCのように、実績、本気度、日本の馬場への適性、輸送適性などを積み重ねていっても正解には近付かない感触がある。

 アルカセットは父キングマンボという点こそ日本適性への可能性を感じさせたものの、それまでに活躍してきたレースはいかにもヨーロッパ競馬らしい内容・時計だった。クマーニ師は日本に向くと睨んでいたようだが、それはあくまで飼養している人の手応えであって、ファンが成績フォームから読み出せるものではない。

 ウィジャボードも含めて、「デットーリだから」くらいの理由で買った人が結果オーライになったというほうがおそらく数としては多く、理屈を巡らせてアルカセットやウィジャボードで勝負できたという人は少ないと思う。

 唯一、2002年のジャパンCだけは20世紀的な方法論で正解に近付けたのだが、同年は中山施行である。

 一方、馬券に絡まなかったもののギリギリ惜しかった馬としてはエラアシーナ(20世紀=2000年だが)やポリシーメイカーがいる。この辺りは日本に向きそうという要素がほとんどなく、ポリシーメイカーに至っては「ジャパンCでダメそうな要素」をたっぷり含んだ馬だった。

 もともと昔から、ジャパンCでは「直前に急にマスコミ人気してきた外国馬は消し」というセオリーがある。アルカセットが勝ったことでその記憶もうやむやになっているが、そういうタイミングだからこそ、外国馬はいっそ人気がないことを条件にクジ引き的に決めてみるくらいのほうがいいと思う。いずれにしても△に1頭入れるくらいが妥当なはずなので、気楽なチョイスでいってみよう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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