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長めのスパンで朝日杯を考える

  • 2008年12月15日(月) 23時50分
 予想というとどうしても出走馬どうしを単純に比較するというような発想になってしまうが、今回は朝日杯をちょっと長いスパンで振り返り、我々のレースに対するイメージをより正しいものに修正してみたいと思う。

 いつもデータを扱うときは過去10年を対象にすることが多いが、今回はマル外・SS系・東西比較といったテーマを扱うのでもう少し長く、過去15年を対象としたい。

 まずは関東馬・関西馬の比較だが、これは15年を通じて関西馬が常に優位にあったと言える。連対馬を出せなかったのは97年と04年で、年代的な連続性は無い。

 一方、その2年を除く13回は、すべて1〜3着以内に2頭の関西馬が入っている。また、先述した97年・04年も3着は関西馬。つまり、関東馬だけの組み合わせというのはほぼ望みがなく、また関東馬が2頭入る組み合わせも相当に厳しいということになる。

 続いてSS系だが、直仔の時代は1頭しか出ていない産駒がきっちり勝ったり(94、95年)、ワンツーを決めたり(00年)していたが、このところは数を頼みになんとか馬券に絡む馬を出すという印象で、03年や05年のように人気サイドを含めて4〜5頭がいたにもかかわらず全滅という年もある。基本的に朝日杯における存在感は低減していると言っていいだろう。

 同様に過去の存在になりつつあるのがマル外。昨年はゴスホークケンが勝ったが、あれが8年ぶりの連対馬。過去15年の中でも前半にあたる時期は「2頭が3着以内」が相場だっただけに、後退の著しさが分かる。よくマル外の絶対数が減ったからと言うが、94年には3頭しかいなかったマル外のうち2頭が馬券に絡んでいたりすることを考えると、量だけでなく質も明らかにトーンダウンしていると言えるだろう。

 反対に、意識しなければならないパターンになりつつあるのが「逃げ」。逃げて馬券に絡んだ馬は過去15年間で5頭なのだが、うち4頭はここ5年のこと。たまたま逃げられる人気馬がいただけと考えることもできるが、レース内容が淡白になりつつあると取ることもできるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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