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冬の中山・芝コースの得手不得手

  • 2008年12月29日(月) 23時50分
 金杯の出走メンバーがはっきりとは見えない形で書いているので、今回は中山芝コースの一般論について書いてみたい。

 有馬記念は2、3着が波乱という結果になったが、アドマイヤモナークは中山では安定していた馬、エアシェイディは年初にAJC杯を勝っていた馬で、適性という面ではメンバー中でも上位の存在だった。

 ここから派生して、さらに感覚的な話にもなるのだが中山の芝はけっこう馬を選ぶところがあり、しかも春・秋開催と冬開催で好走馬がある程度異なっているのではないだろうかと思うのである。

 どの競馬場の芝レースでも実績のある馬・血統を買いその反対を消すのは当然だが、中山では季節要因も考えようということである。

 そう考えるきっかけになったのはスペシャルウィークだ。スペシャルウィーク産駒は春と秋だと少数の馬が穴をあける感じで、冬開催だと好走馬は増えるがそのかわり全体的に本命寄りにシフトする。

 タイキシャトルあたりだともっと単純で、春・秋開催では強いが冬開催だと弱い。中山の冬開催に弱いという点では、サッカーボーイ産駒も有名である。

 反対に冬の中山に強い種牡馬は誰なんだと言われるとこれは難しく、年間を通じて中山得意の血統が、冬になるとその勢力をさらに強めるという印象だ。

 よって、中山の冬とそれ以外について考えることはどちらかというと、この時期だから買うというよりも、この時期だから消すという発想に繋がるものでもある。

 さらにひとつ気を付けておきたいのだが、2歳戦は例外になりやすいということだ。たとえばトニービンとその後継について見てみると、年間を通じてそれほど違いはないように見えるのだが、冬場は2歳〜明け3歳馬が支えているところがあり、古馬、特に上位クラスになるほど苦手の色合いが強まる。2歳戦は適性以前に地力で決まってしまうところがあるからだろう。

 いずれにしても、有馬記念がああいった結果になったことをきっかけに、中山芝への適性というものをいまいちど考えてみたいものである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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