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前走条件戦組が強いこの時期のGII

  • 2009年01月19日(月) 23時59分
 アメリカジョッキークラブCの過去10年を振り返ると、前走条件戦組が[3-2-3-19]という成績を上げている。

 勝率で11.1%、連対率で18.5%だから驚くほど高いというわけではないが、全馬平均よりは高い。ということは、前走OP組よりも前走条件戦組のほうが走っているということである。

 ちなみに、前走重賞組はさすがに前走条件戦組より走っているのだが、前走OP特別戦組が[0-0-2-16]と不振である。

 似たような現象は、日経新春杯でも起きている。2009年の日経新春杯ではタガノエルシコが3着に入っただけ(1000万条件からの参戦だからこれでもたいしたものなのだが)だったが、それ以前の10年間だと[4-2-5-21]で、こちらは前走重賞組さえしのぐ勢いである。

 日経新春杯の場合はハンデ戦だからまあ理屈としてありえなくもないが、AJC杯は別定GIIにして先述したとおりの前走条件戦組の強さ。普通ならば説明がつかないところだ。

 そこに説明をつけるとしたら、

1.この時期の重賞常連組は実はたいしたメンバーではない
2.たいした馬がいたとしても、年末の大レースにピークが来ていて、ここではデキが無い
3.反対に上がり馬タイプはデキがある

 といったところが候補だろう。

 実際のところはこれらがミックスされた結果であり、しかも実はその状況はある程度ファンにも事前に理解されているように思う。というのも、AJC杯の「前走条件戦組の3着以内馬」は8頭中6頭までが6番人気以内で、ある程度穴人気にはなっていた馬たちだからだ。

 今年は登録馬に該当馬が2頭いる。予想する段階になってこの2頭が重賞組より良く見えた場合、「でも条件戦上がりだしなあ」と考えるのではなく、直観に頼ったほうがよいと言えるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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