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7歳馬の優勝はあるか?

  • 2009年02月16日(月) 23時59分
 ダイワスカーレットの回避により、フェブラリーSはカネヒキリ、ヴァーミリアンで人気集中という流れになってきた。

 実績を考えたらこの2頭が抜けているのだが、ひとつだけひっかかる点がある。この2頭が7歳馬だということである。

 過去10年、フェブラリーSの年齢別着度数を記すと……

4歳 [3-4-0-27]
5歳 [6-2-2-24]
6歳 [1-1-6-41]
7歳以上 [0-3-2-37]

 連対率でいうと4、5歳が20%台であるのに対し、6歳以上は合わせて5.5%となる。

 GIになって以降で過去10年に含まれない98年には6歳のグルメフロンティアが優勝しているが、それらを足してもまだ高齢馬は分が悪い。別定GII時代にはホクトベガが6歳で優勝している(96年)が、その時代まで遡っても7歳馬の優勝はない。

 まあ、こんなことを書きつつもなんだかんだ言って今年はカネヒキリかヴァーミリアンが勝つのではないかというのが本音ではあるのだが、今週ということではなく、ダートの名馬にはいつか人気を裏切られるリスクがあるということは意識しておいたほうがいいだろう。

 ダートで一時代を築いたような馬でも、引退間際にはけっこう負けているケースが多い。ウイングアローも引退間際の2戦は大敗だったし、アグネスデジタルやアドマイヤドンも、以前だったら負けなかったであろうレースで負けてから引退していった。メイセイオペラは引退戦のみちのく大賞典こそ圧勝したものの、ダートグレードでは勝てなくなっていた。ライブリマウント、レギュラーメンバーなどピーク時とその後にギャップのある馬は多い。

 このパターンあてはまらないのはクロフネやアブクマポーロのように故障がらみで未完のまま終わった馬がほとんどで、本当の例外は最後に一発かましていったタイムパラドックスくらいだろう。

 くどいようだが、今週人気を裏切るという話ではない。ダートの高齢スターホースについては、常にある程度の警戒心を持っておいたほうがよいという話である。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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