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中山牝馬Sとハンデ

  • 2009年03月09日(月) 23時50分
 中山牝馬Sは言うまでもなくハンデ戦である。そこで過去10年の斤量別成績を調べてみると、明らかに「背負っている組が強い」ということが分かる。

 正確に言うと、なぜか55kg組がスイートスポットになっていて[5-2-1-7]の連対率46.7%(全馬平均は13.1%)という突出した成績。それより下の54kg以下はそれぞれの斤量ごとに連対率は10%以下。55.5kg以上はそれぞれの斤量ごとに20%以上となっている。

 中山牝馬Sに限らず、もともとハンデ戦というのは連対率ベースで見ると重ハンデ組が強くなっているものである。昔のように実績馬に酷量を課せられるわけではないため、能力差を斤量で埋めきれないからだ。

 一方で回収率については、軽ハンデ馬に人気薄での一発があるために、条件によって事情が異なる。

 中山牝馬Sの場合も、03年10番人気2着テンエイウイング(50kg)や08年13番人気2着マイネカンナ(51kg)のように軽ハンデ馬が他の馬の分も回収率を穴埋めしている面はあるのだが、一方で重ハンデ組も回収率が悪いというわけではない。先述した55kg組の堅調ぶりや、マイネサマンサ、ヤマニンアラバスタ(いずれも56kg・8番人気で馬券に絡んだ)によって、十分な水準になる。

 ちなみに、牡馬の出られる芝1800mのハンデ重賞だとこのような結果にはならず、57kg以上を背負うような実績馬は連対率がかなり高いが、それ以外はみな似たようなものという構成になっている。となると、先述したような状況は、牝馬路線に特有なものであると考えることもできる。

 いずれにしても、回収率レベルが同じくらいで連対率が違うのなら、背負っている組を重視したほうがいいに決まっている。どうしても54kg以下を狙いたいということなら前走もOPを走っていたことが前提。昨年のマイネカンナのようなケースはごく稀である。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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