このコラムではよく、堅い重賞・荒れる重賞という話を書く。
堅い、荒れるの尺度についてはいくつか考え方があるだろう。私がよく使うのは、10年なら10年という期間に全馬を均等買いした場合の複勝回収率だ。
これでいくと、1999年以降実績でいちばん堅い重賞は神戸新聞杯(複勝回収率40%)ということになり、その次は府中牝馬S(43%)となる。施行条件が変わった重賞をどう扱うかという問題もあるが、実際の状況とそう乖離してはいないのではと思う。
これでいくと阪神大賞典はシリウスS、フェブラリーSをはさんで5位(50%)ということになるのだが、阪神大賞典はそれより上位の4レースにおいてもマークされていない大記録を達成している。
それは1番人気馬が複勝圏内を外さないということで。
過去10年でいうと、神戸新聞杯ではフサイチホウオー、府中牝馬Sではヤマカツスズラン、シリウスSではサンライズキング、フェブラリーSではシーキングザダイヤなど4頭が複勝圏内から外れている。しかし阪神大賞典では昨年3着だったポップロックでも「悪いほう」であり、残りの9頭はすべて連対している。
阪神大賞典の1番人気馬複勝圏内キープは10年どころの騒ぎではない。最後に1番人気馬が飛んだのは1989年スルーオダイナ。これは2位入線失格だから、実質的には87年フレッシュボイスということになる。その間、3着になった馬はナイスネイチャしかおらず、ポップロックは15年ぶりの3着馬ということになる。平成以降間重賞における1番人気複勝率の高さでは、ダービー(90%)を超える第1位(95%)だ。
阪神大賞典が堅いなどというのは今さら繰り返すことでもないのだが、いざ馬券を買うときになるとボックスとか、1番人気が飛ぶパターンを含んだフォーメーション・マルチを買ってしまったりもするもの。よほど1番人気が飛ぶと確信があるならともかく、そうでないなら、「このレースは諦めて1番人気を買う自制心が大切なんだ」と自分に言い聞かせつつ買い目を組む必要があるだろう。
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